需給調整市場検討小委員会 資料全体説明
資料概要
本資料は、需給調整市場検討小委員会が2026年度以降の調整力必要量についての検討結果を報告するものである。主に調整力の細分化や広域調達に関する技術的な変更点が含まれている。
はじめに
- 複合市場の必要量は、2019年11月5日の第14回本小委員会の結果を基に、2023年12月21日の第44回本小委員会で試算された。
- 2026年度以降、取引単位が30分化されることに伴い、現行手法による必要量算定に新たな課題が生じるため、対応案が検討された。
需給調整市場の商品導入スケジュール
- 取引規程の改定およびMMS改修は、2026年3月13日受渡分以降に適用される。
複合市場商品ブロック時間の見直し
- 一次〜三次①のブロック時間を3時間から30分に見直すことにより、以下の効果を期待している。
- 応札量の増加
- 効率的な調達力調達による調達コストの低減
2026年度向け需給調整市場取引開始タイミング
- 市場取引開始:
- 日時: 2026年3月14日受渡分から
- 変更内容: 前日化、入札時間単位を「30分」、継続時間「30分」に変更
- 現行の取引スケジュールは2025年度において週閑取引および入札単位は3時間ブロックである。
調整力必要量の考え方
平常時および緊急時対応の調整力
- 平常時対応の調整力:
- 緊急時対応の調整力:
- 電源脱落時の周波数低下を抑えるために必要な調整力。
調整力商品の分類
| 商品 | 平常時対応 | 緊急時対応 |
|---|
| 一次 | 極短周期成分の時間内変動 | 電源脱落 |
| 二次① | 短周期成分誤差 | 電源脱落 |
| 二次② | 需要計画と実績需要の誤差 | - |
| 三次① | 継続する量の誤差 | 電源脱落 |
必要量の算定方法
- さまざまなデータに基づき、調整力の必要量を算出。特に以下を基にした。
今後の課題
- 2026年度から取引単位の30分化に伴う課題として、
- データ数の減少: 過去実績による必要量の算定が困難になる可能性。
- 歯抜け約定のリスク: 応札者の負担が増加する可能性。
年間必要量の試算結果
一次調整力
- 試算結果の概要:
- 従来のブロック単位に比べ、該当+前後3コマによる算定では全国計の年間必要量が増加、組み合わせ算定では減少が確認された。
年間必要量(億ΔkWh)
| 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 全国計 |
|---|
| ブロック単位 | 4.0 | 11.1 | 18.2 | 13.7 | 2.6 | 12.8 | 14.7 | 2.4 | 12.6 | 92.4 |
| 該当前後3コマ | 4.0 | 11.3 | 18.4 | 13.7 | 2.6 | 12.9 | 14.7 | 2.5 | 12.7 | 92.8 |
| (対ブロック単位比) | (+0.0%) | (+1.8%) | (+1.0%) | (+0.0%) | (+0.0%) | (+0.8%) | (+0.0%) | (+4.2%) | (+0.8%) | (+0.5%) |
| 組み合わせ算定 | 3.9 | 10.8 | 17.9 | 13.5 | 2.5 | 12.7 | 14.7 | 2.4 | 12.5 | 91.0 |
| (対ブロック単位比) | (-2.7%) | (-2.9%) | (-1.5%) | (-1.3%) | (-2.8%) | (-1.0%) | (+0.0%) | (-3.8%) | (-1.0%) | (-1.5%) |
二次調整力①
- 試算結果の概要:
- 二次調整力①についても、該当+前後3コマによる算定では全国計の年間必要量が増加、組み合わせ算定では減少が確認された。
年間必要量(億ΔkWh)
| 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 全国計 |
|---|
| ブロック単位 | 3.7 | 9.4 | 13.1 | 12.7 | 2.6 | 7.7 | 9.4 | 2.8 | 9.6 | 71.1 |
| 該当前後3コマ | 3.7 | 9.6 | 13.3 | 12.7 | 2.6 | 7.8 | 9.4 | 2.8 | 9.6 | 71.7 |
| (対ブロック単位比) | (+0.0%) | (+2.1%) | (+1.5%) | (+0.0%) | (+0.0%) | (+1.3%) | (+0.0%) | (+0.0%) | (+0.0%) | (+0.9%) |
| 組み合わせ算定 | 3.6 | 9.1 | 12.8 | 12.3 | 2.5 | 7.6 | 9.3 | 2.6 | 9.2 | 69.1 |
| (対ブロック単位比) | (-3.0%) | (-3.2%) | (-2.3%) | (-3.1%) | (-3.8%) | (-1.3%) | (-1.1%) | (-7.1%) | (-4.3%) | (-2.7%) |
二次調整力②および三次調整力
-
二次調整力②:
- 該当+前後3コマによる算定では微量増加、組み合わせ算定では減少が確認された。
-
三次調整力①:
- 該当+前後3コマによる算定では微量増加、組み合わせ算定では減少が確認された。
複合商品の調整力必要量試算
2026年度向け調整力必要量(最大必要量)
- 試算結果の概要:
- 各エリアの最大必要量は、従来のブロック単位に比べ、該当+前後3コマによる算定では増加する傾向、組み合わせ算定では減少する傾向が確認された。
最大必要量(MW)
| 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 全国平均 |
|---|
| ブロック単位 | 385 | 1,063 | 2,066 | 949 | 254 | 1,047 | 642 | 324 | 813 | 838 |
| 該当前後3コマ | 388 | 1,075 | 2,084 | 952 | 267 | 1,059 | 625 | 331 | 807 | 843 |
| (対ブロック単位比) | (+0.8%) | (+1.1%) | (+0.9%) | (+0.3%) | (+5.0%) | (+1.2%) | (-2.7%) | (+2.1%) | (-0.7%) | (+0.6%) |
| 組み合わせ算定 | 385 | 1,063 | 2,025 | 949 | 254 | 1,047 | 625 | 324 | 807 | 831 |
まとめ
本資料では、2026年度における一次〜三次①調整力必要量の試算結果を示し、さまざまな算定手法の影響を詳細に述べた。調整力の算定に際して過剰な調整力の確保の可能性が低いため、「組み合わせによる算定」を用いる方針を採用することが適切であると考えられる。また、今後の更なる検討が求められている。