中国九州間連系線(関門)の1回線作業時は、従来、調整力公募契約に基づく系統保安ポンプで運用容量を維持してきたが、2024年度以降は電源Ⅰ・Ⅱ契約が終了する。事務局は2024年度について、長周期広域周波数調整の申告時点で中西5エリアの揚水計画を集約し、運用容量を見直す対策案③を実施する案を提示した。これは提案であり、資料上、委員会の決定は示されていない。
| 案 | 運用容量を拡大する時点・根拠 | 主な留意点 |
|---|---|---|
| ① 翌々日計画を活用 | 2025年度からの翌々日48点計画にあるBG揚水計画を事故時の遮断量として算入し、スポット市場に向けて拡大する | 計画後にBGポンプ量が減って容量を維持できない場合、TSOが揚水池全体を運用してポンプ量を維持する。火力焚き増し等の経済性や、エリア間で公平・適切に切り替える運用方法の検討が必要 |
| ② 現行の保安ポンプ水準まで拡大 | 前々日時点で現行の保安ポンプが維持している容量まで一律に拡大する | 必要なBGポンプ量がなければTSO運用となる。再エネ抑制に寄与しない時間帯や長周期申出がない場合にもポンプが必要となり、不経済となる可能性がある |
| ③ 翌日計画を活用 | 長周期申告時点で揚水計画を集約し、長周期の組合せ前に容量へ反映する | スポット時点の容量は拡大せず、三次②の約定でΔkWマージンが確保されると抑制回避に十分使えない場合がある。業務フローは実運用に向けて引き続き精査する |
事務局は、2025年度以降は案③の実効性を2024年度の実施状況も踏まえて改めて検討し、案①の有効性も引き続き検討する考えを示した。案②、対策を行わず作業時に運用容量を下げる選択肢も資料に記載されており、最終選択は未決である。
2023年度実績では、関門の市場分断は約200コマあった一方、日中(7時~16時30分頃)のスポット価格は分断中も含め0.01円/kWhで、容量拡大による価格低減効果は限定的だった。九州・中国・四国では再エネ抑制が連日発生し、資料は関門の容量拡大による抑制量低減を期待している。また、点灯帯から翌朝にかけては概ね10円/kWh以上であり、日中のポンプ運転は経済運用上も一定程度見込まれるとしている。
ただし、計画時に容量へ織り込んだポンプ量が実需給までに減少すると、関門事故時の揚水遮断量が不足し、中西エリアで負荷遮断が起こるリスクがある。TSOがポンプ量を維持すれば九州の再エネ抑制回避につながり得るが、火力等を焚き増す場合がある。今回の検討では著しく不経済な追加火力運転は想定されなかったものの、九州側の再エネが直前に減る場合などは上げ調整が必要となり得る。
通常は調整力提供者が通知した水位上下限の範囲で運用する。資料が引用する制度設計専門会合の整理では、再エネ抑制回避等のため一般送配電事業者が必要と判断した場合、上下限を超えて池全体の水位を運用できる案が示されている。今回の対策案は、容量拡大を契機にポンプ不足時の負荷遮断を避けるためのTSO運用として、この整理との整合性を事務局が提示したものである。特定地域立地電源公募による揚水機確保は、BGの経済運用への制約と作業期間の限定性を理由に採用しない案である。
2024年度は長周期申告時点で中西5エリアの揚水計画を集約する案③、2025年度以降は案①・②・③等を比較検討する構成である。翌々日計画は2024年度に2点、2025年度から48点で広域予備率を算出・公表する予定とされる。2024年度の案③の実効性、案①の有効性、TSO運用の具体的な公平性・業務フローは今後の検討事項である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中国九州間連系線(中国向) 作業時の運用容量について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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