改善計画は、チェックポイントと照合した範囲で明らかな不足は確認されていない。一方、内部監査や外部人材を過半数含む組織体による評価、重要会議のモニタリング、研修は、規程を整えるだけでなく実効性を伴う実施が課題である。委員会は2023年8月から1年間を「集中改善期間」とし、面談、ヒアリング、実地確認を通じてフォローアップする方針である。
10月13日の社長面談では、各社から再発防止、内部統制の強化、組織風土改革などの取組と、社長・経営陣が主導する考えが示された。委員会は、現場と法務部門の協働によるルール整備、違反時の退出手順、研修後の行動変化の把握、改善計画の監査・評価などを確認点として挙げた。今後は、各社の部門間の役割・連携、ルールの見直し、研修の実効性、評価結果を踏まえた経営層の対応を重点的に確認する。
旧一電の域外進出比率は関連会社を含め全国平均約3.5%であり、主な課題は域外の新規需要獲得である。知名度や営業人員、販路の制約が挙げられた一方、多くの旧一電は他エリアからの調達、ベースロード市場、常時バックアップを十分活用しておらず、域外向け電源調達を積極的に検討している状況とは言い難い。委員意見では、域外進出は各社の経営判断としつつ、制度的障害は改善すべきとの考えや、競争制限につながる行動を避ける必要性が示された。
旧一電同士の提携等について、2017~22年度の正式検討の有無を確認したところ、発電所の共同新設、域外進出のための提携・合弁、その他の業務提携の各類型で「ある」とする事業者があった。ただし、カルテル疑惑を避けることを主因に検討が中止・中断された事例は確認されなかった。提携時の情報交換は、競争促進効果と協調行動リスクの双方を持つため、必要な情報の範囲を見極め、競争上重要な情報にはファイアーウォールやアクセス制限等の情報遮断措置を講じる考え方が示された。
電気・ガスのセット販売などは需要家獲得の手段となり得る。追加ヒアリングでは、域外でガス事業を行う事業者が、関連会社や他部門の人員、代理店、インターネット等を活用して保安・営業体制を確保しているとの回答があり、現時点で保安体制や営業活動に関する制度対応は必ずしも必要ではないと整理された。
一方、ガス小売の最大需要や供給能力を変更する際の変更登録には、通常2~3か月程度を要し、需要増加時に営業を止めたり既存案件の稼働抑制を検討した例があった。このため、需要増加に合わせて供給能力も増やし、変更後も需要が供給能力を超えない場合など、事業実施に支障がない変更は、変更登録でなく届出とする案が示された。需要が大幅に増加する場合は、事業実施体制や苦情処理体制を確認するため、引き続き変更登録の対象とする案である。いずれも資料上は検討方向であり、確定した制度変更ではない。
内外無差別な卸売のコミットメントは、域内で市場支配力を持つ事業者の電源へのアクセス機会を公平にする趣旨である。このため、域外電源は、当該エリアで市場支配力を持たない限り原則として対象外とする案が示された。ただし、隣接地域の電源など域内に主に供給する実態があれば対象外とせず、域外電源からの社内・グループ内卸が域外小売需要向けであると合理的に説明できる場合に限り、対象外とする考え方である。
市場価格の変動リスクに対しては、先物取引を多くの旧一電が利用しているものの、ヘッジ目的でのさらなる活用が期待される。関西は体制整備済みだが取引実績がなく、沖縄はスポット市場がないため先物取引を行っていない。委員会は、他エリア電源へのアクセスを含む内外無差別な卸売の取組を引き続きフォローアップする方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「小売電気事業者に対する業務改善命令及び旧一般電気事業者の域外進出に係る対応について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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