ガス導管事業者の託送収支の事後評価に関する資料
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省による「ガス導管事業者の託送収支の事後評価」に関するものであり、2023年度におけるガス導管事業者の託送収支を評価し、今後の料金改定に関する情報をまとめたものである。
主要な検討内容
1. 2023年度ガス導管事業者の託送収支の事後評価
- 対象事業者: 日本全国のガス導管事業者219社のうち、託送供給約款を策定した145社。
- 評価の進め方:
- 法令に基づく事後評価を実施。
- 意見聴取を通じて137社の託送収支計算書を対象に評価。
2. 料金制度専門会合での進行
- 意見聴取は2024年に行われ、事業者ごとの託送収支の分析が行われた。
評価状況
超過利潤累積額の状況(ストック管理)
| 超過利潤累積額 (2023年度末) | 一般ガス導管事業者 | 特定ガス導管事業者 | 合計 |
|---|
| 一定水準額超過 | 2 | 0 | 2 |
| 一定水準額の2/3 | 4 | 0 | 4 |
| 0未満 | 61 | 3 | 64 |
乖離率の状況(フロー管理)
- 乖離率がマイナス5%を超過した事業者:
- ENEOSエルエヌジーサービス
- 栃木ガス
- 鷺宮ガス
- 小千谷市
- 福山ガス
- 大牟田瓦斯
- 三愛オブリの7社。
| 乖離率2023年度末 | 一般ガス導管事業者 | 特定ガス導管事業者 | 合計 |
|---|
| 5を超過 | 4 | 2 | 6 |
| 5未満 | 53 | 0 | 53 |
料金値下げ意向
ストック管理における超過事業者の状況
- エナジー宇宙(北本エリア): 値下げ届出の意向あり。
- 小千谷市: 来年4月に北陸瓦斯への事業譲渡を予定。
フロー管理における超過事業者の状況
- 6社に対し、期日までに値下げ届出を行わない場合、変更命令の可能性がある。
- 小千谷市を除く5社は値下げ届出の意向を確認した。
今後のスケジュール
| 日付 | 内容 |
|---|
| 2024年11月27日 | 2023年度ガス導管事業者の託送収支の事後評価 |
| 2025年1月以降 | 新たに公表された事業者への評価 |
| 2025年5月目途 | 2023年度の結果報告と料金値下げの確認 |
ENEOSエルエヌジーサービス(株)および大津市の新料金に関する検討内容
ENEOSエルエヌジーサービス(株)の新料金算定
- 新料金の算定において、以下の点が適正に反映されるべきである。
還元額の算定
| 項目 | 金額 (千円) | 備考 |
|---|
| 一定水準超過額(超過利潤累積額において) | 173,892 | 計算結果 |
| 減少事業報酬額 | 727 | 適用額 |
| 当期超過利潤累積額 | 174,898 | - |
- 還元額は以下の式で算定される。
還元額=[(一定水準超過額 − 前期の一定水準超過額) × (1 - 効率化比率) + 還元義務額残高] ÷ 5 × 原価算定期間年数
- ENEOSエルエヌジーサービス(株)は、事業報酬額727千円を優先して適用するため、還元額は727千円とする。
内部留保相当額
- 内部留保相当額は▲36,056千円であり、同条第1項より、内部留保相当控除額は0とする。
大津市の新料金算定
- 大津市では、料金算定規則第10条に基づき、減少事業報酬額の算定を行っている。
- 現在の状況として、次のような数値が示されている。
| 項目 | 金額 (千円) | 備考 |
|---|
| 前期内部留保額 | -2,104,786 | - |
| 当期超過利潤額 | 259,994 | - |
| 当期内部留保額 | -2,054,822 | 還元義務残高0 |
- 超過利潤の要因として、コロナ禍による需要増加や料金体系の細分化不足が指摘されている。
需要予測の結果
| 用途区分 | 令和14年度使用量予測(千m³) | 令和4年度実績との比較 |
|---|
| 家庭用 | ▲9% | - |
| 工業用 | ▲10% | - |
| 商用用 | ▲7% | - |
原価算定と値下げの方針
- 大津市は、料金算定規則に基づいて新料金を設定し、2024年4月1日から適用予定である。
- 値下げに関する方針は以下の通りである。
- 値下げ対象は全需要家。
- 標準託送の料金区分を細分化し、より公平で適正な料金区分を目指す。
結論
- ENEOSエルエヌジーサービス(株)および大津市の新しい料金は、還元額や内部留保を適正に反映した結果、妥当であると判断されている。
- さらなる成長と安定性に向けた取り組みが求められている。