報告書案の中心は、局地的な需要増への対応を「設備増強の計画性」と「既存ネットワークの効率利用」の両輪で進めることである。全国需要は2023年度から10年間で0.4%増の見通しだが、主因はデータセンター・半導体工場であり、東京・北海道・中国・九州など一部地域に増加が偏る。送電線・変電所の増強には数年単位の期間と費用を要する一方、配電網は線路間の需要再配分などで対応できる場合がある。ただし設備容量だけでなく、需要の集中時間帯や電圧変動も制約となる。
需要の性質により、影響と対処が異なる。
| 需要の類型 | 主な影響・条件 |
|---|---|
| データセンター・脱炭素化する製造業 | 特定地点で大規模な受電を要し、接続地点によっては長期の増強工事が必要となる。データセンターの分散立地は可能性があるが、通信・交通、災害対応、電力供給など立地条件を伴う。 |
| EV・蓄電池・ヒートポンプ給湯機 | 個々の需要は比較的小さいが、普及地点や充電・稼働時間が集中すれば配電網のピークや電圧に影響し得る。時間をずらせれば影響を抑えられる可能性がある。 |
報告書案は、供給余力や接続までの期間・費用を示すウェルカムゾーンマップの充実、自治体・工業団地と送配電事業者の早期連携を提案する。印西地区では、需要増を受けた大規模増強が2019年から約5年で完工した事例が示されている。需要の確実性が低い段階でのプッシュ型増強は託送料金負担を増やし得るため、国・自治体の計画など社会的な合意を踏まえる考え方も示された。
新規接続費用は、需要地点から接続点までの送電路費用が工事費負担金(特定負担)となる場合が明確化されている一方、上位系統の増強は原則として一般負担である。接続点の指定によって、需要家負担の送電路費用と利用者全体が負担する増強費用の関係が変わり得る。欧州には、後続利用者が増強費用を分担・返金する制度例があり、日本での扱いは今後の検討課題である。
現時点でEVは自動車保有台数の1%未満であり、送配電網への影響は顕在化していない。将来も、充電が地域・時間に分散すれば影響は限定的と考えられるが、夕方のピークに集中すれば柱上変圧器などの増強が必要となる可能性がある。急速充電では敷地内の複数充電器の出力管理と、電圧変動への対策が論点となる。
報告書案は、時間帯別料金や遠隔制御で充電を誘導し、V1G(充電時刻の調整)・V2G(車両から系統への給電)を活用する選択肢を示す。普及には制御機器・通信規格の費用や、需要家・小売事業者への影響も考慮が必要である。スマートメーターは2024年度末までに全数設置予定であり、2028年度開始の第二規制期間に向け、時間帯別託送料金を基本とする是非を検討する案が示された。これは決定事項ではない。
今後の論点として、時間帯別・立地誘導型の託送料金、低圧リソースの遠隔制御と需給調整市場への参加、空き容量マップや産業誘致主体との連携、需要地向けプッシュ型整備の制度上の位置付け、力率・電圧関連制度や充電管理への支援が列挙された。報告書は選択肢を整理した段階であり、具体策は優先順位と時間軸を踏まえ、関係する審議会等でさらに検討する必要があるとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「局地的電力需要増加と送配電ネットワークに関する研究会 報告書(案)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_localdemand.html)をもとに当社作成
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