ENEOS Powerは、系統用蓄電池や需要家側の蓄電池、EVなどを統合・遠隔制御し、電力需給の最適化や再生可能エネルギーの利用率向上につなげるVPP事業を進めている。蓄電池の収益化には、卸電力市場、需給調整市場、容量市場などを組み合わせる運用(レベニュースタッキング)が必要である。一方、現時点では系統混雑緩和や出力抑制回避を直接収益化できないとしている。
系統用蓄電池では、室蘭の50MW/88MWh設備が2024年3月に商業運転を開始した。千葉では100MW/202MWhの設備を建設中である。需要家併設型の案件や、家庭用蓄電池・EVを使った遠隔制御、自家消費や充電時間の最適化に向けた実証も進めている。
| 運用対象 | 主な収益・価値 | 現状・条件 |
|---|---|---|
| 蓄電池 | 容量市場、需給調整市場、卸電力市場での取引 | 需要家併設・再エネ併設・系統用で活用可能と整理 |
| 需要家併設設備 | 最大需要電力の削減、自家消費の最大化、容量拠出金の回避 | 需要家併設型の収益化手段として提示 |
| 再エネ併設設備 | FIP収入の最大化、余力活用 | 出力制御回避は将来の収益化手段として整理 |
| 系統用設備 | 余力活用 | 系統混雑緩和による収益化は将来の課題として整理 |
蓄電池は指令後に即時応動できるため、価格予測と最適化計算を組み合わせて制御計画を作り、市場への入札と充放電につなげる。資料では、アルゴリズムによる予測・最適化に、人の予測や経験知、リスク許容度に応じた判断も組み合わせる運用を示している。
局地的な電力需要増加が起きるエリアに蓄電池が接続され、市場価格のシグナルに応じて運用されれば、需要逼迫の緩和につながる可能性がある。ただし、送電容量不足への対応には、蓄電池が対象系統に連系されていることが条件である。需要家併設蓄電池やDRは、下位系統の逼迫緩和にも活用できるとしている。
対象系統への蓄電池導入を促すため、資料は次の施策案を提示している。いずれも提案であり、決定事項としては示されていない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「ENEOS Power における蓄電池事業と局地的電力需要増加に対する蓄電池の活用可能性について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_localdemand.html)をもとに当社作成
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系統用蓄電池とは、送配電ネットワークに直接つながり、電力の充電と放電によって需給や潮流の調整に用いられる大型の蓄電設備です。太陽光・風力の出力変動が拡大するなかで、余った電気を貯めて必要な時間帯に戻す役割を担い、日本でも接続検討の申込が急速に増えています[DOC:b168d7d3-601a-4fef-804a-ca119771f9f0]。
ノンファーム型接続は「空き容量がない系統でも、混雑時の出力制御を受け入れる条件で接続を認める」仕組みで、基幹系統は2021年1月から受付が始まり[DOC:f4cfef4b-1831-4fbc-abe0-ac3acba0ddfb]、ローカル系統も2023年4月から順次拡大している[DOC:eae150b4-2d32-48d8-832c-562c3881a95b]。事業性の焦点は「接続可否」から「年間どれだけ制御されるか」に移り、系統用蓄電池では逆潮流だけでなく充電側(順潮流)の制約設計が収益を左右する。
Policy Scope
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