本資料は、排出枠の償却義務や割当て等が事業者の権利を制約し得るとして、営業の自由・平等原則・財産権との関係について審議を求める論点整理である。合憲性や制度設計の結論は示されておらず、我が国の判例を踏まえた判断枠組みと、各論点に応じた制度上の留意点が検討対象である。制度目的は、諸外国では経済効率的な温室効果ガス削減とされることが多い一方、我が国ではGX推進法の目的である「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行」に沿わせる必要がある。
対象事業者には、排出量に相当する排出枠の償却義務が通常課される。排出枠の購入等の費用を通じて、排出を伴う事業活動、参入、事業規模の拡大が制約され得るため、規制目的と手段の関連性、立法における専門的・政策的判断の評価が論点となる。
制度設計上の論点には、無償割当・有償割当・市場取引など複数の遵守手段、バンキング・ボローイング・外部クレジットによる柔軟性、新規事業者や設備増設・増産への配慮がある。資料はこれらの措置の合憲性を結論づけず、営業そのものを断念させる規制とならないための評価を求めている。例としてEU-ETSとK-ETSは、政府保有の予備排出枠から新設等に追加割当てを行う仕組みを設けている。
制度では、排出量による対象・非対象の区分、有償割当の対象業種とそれ以外の区分、対象事業者内での業種・新旧事業者の区分が想定される。区別の合理性を検討する論点として、対象を一定規模以上に絞る行政コストと排出削減効果、有償割当の可否に関わる代替技術やカーボン・リーケージ、割当方式に関する情報・実績の制約が挙げられている。
制度例では、対象基準はEU-ETSが概ね年25,000t-CO₂e以上の設備、K-ETSが組織年125,000tまたは施設年25,000t以上、豪州セーフガードメカニズムが施設年10万t以上である。割当方式も一様ではなく、EU-ETSは全量BM方式、K-ETSはBM方式とGF方式を併用し、BMの整備に応じて移行している。これらは区別の例示であり、平等原則上の評価は未確定である。
排出枠の価格上限・下限、割当基準の厳格化、バンキングやボローイングの導入・撤廃は、排出枠の価値に影響し得る。検討事項は、制度自体を財産権の内容形成としてどう評価するか、導入後の変更・撤廃が財産権保護に及ぼす影響、段階的な制度発展における予見可能性である。米国のSO₂排出量取引、RGGI、カリフォルニア制度では、排出枠が財産権を構成しない旨を明文で定める例が紹介されている。
市場価格の急騰・急落に備えた市場安定化措置も、排出枠の価値に関わる。資料の例では、EU-ETSは市場余剰量に応じて排出枠を市場へ放出・吸収する量的措置、カリフォルニア制度は固定価格での売却やオークション下限価格による価格的措置を採用する。これらの制度設計・改正を財産権との関係でどう評価するかも、審議事項である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「憲法上の論点について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/gx_implementation/index.html)をもとに当社作成
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