中西60Hz系統は長距離交流くし形系統であり、大規模な送電線故障や電源脱落が起きると、エリア間の長周期動揺が増大し、同期運転を維持できなくなるおそれがある。運用では西九州・西播間の位相差を中西θとして監視し、事前シミュレーションで定めた運用目標値を超える場合は、中国地内の電源持替で潮流を調整している。目標値は安定限度値から常時潮流変動に基づくフリンジ相当分を差し引いて算出している。
現行の電源持替はエリア内での再給電に相当し、全国規模の電源運用による全体最適とはなっていない。目標超過は現在稀だが、変動性再エネの導入で同期発電機が減る将来断面では、同期安定性が低下し、目標値を超えやすくなる傾向が見られる。
中西安定度は同期安定性制約の一つとして扱うのが本来的と整理している。管理指標には、潮流値だけでは系統全体の位相差を表せないため、現行どおり中西θを用いる考えである。運用目標値は安定限度値からフリンジ相当分を控除する。将来のフリンジの扱いは、同時市場導入や次期中給システムを見据えた検討結果を踏まえて改めて検討する。
同時市場で検討中のSCUC・SCEDに、中西θに関する制約式を加えれば、全国規模の混雑処理の中で中西安定度を考慮した電源起動・出力配分ができる可能性がある。例として、各区間のリアクタンスと潮流から位相差を近似し、西九州から西播までの合計を運用目標値以下にする制約が示された。ただし、制約追加による計算の収束性、実行可能解の取得、必要データや計算時間への影響は未評価であり、技術的な実現可能性は未確定である。また、現行の規程類は運用容量を潮流の最大値として定義しているため、中西θによる管理との整合も別途整理が必要である。
現行の中西安定度評価では、送電線ルート断・片母線故障や大規模電源線ルート断などのN-2故障を想定し、必要に応じて電源制限・負荷制限を織り込んでいる。将来の安定度悪化に対しても、まずは系統制御を基本とし、社会的影響を考慮して技術的に可能な箇所では、広域電源制限と負荷制限の組合せを許容する考えが示された。これは提案段階であり、将来悪化が顕在化した際に具体策を検討する。
さらに、同期調相機やSTATCOMなど、故障中の電圧維持を通じて同期安定性の改善が期待される機器も選択肢となる。設置には相応のコストがかかるため、混雑解消を含む改善効果と対策費用を踏まえて要否を検討する。
中西θ制約をSCUC・SCEDに実装できるか、規程類との整合、将来のフリンジの考え方、維持・向上策の具体化について、一般送配電事業者と連携して検討を継続する。資料はこれらを確定決定ではなく、今後の検討事項として整理している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中西安定度の運用容量制約への反映について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/unyouyouryou_sagyoukai/)をもとに当社作成
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