電力市場における調整力の細分化及び広域調達に関する資料
資料の目的・背景
本資料は、電力広域的運営推進機関による第39回調整力の細分化及び広域調達に関する作業会の意見募集結果を反映したものである。具体的には、一次調整力から二次調整力、複合商品及び三次調整力の市場設計案についての技術的検討に関する内容を取りまとめている。
主要な検討内容・論点
資料には、以下の主要なテーマが設定されている:
- 一次調整力に係る事前審査・アセスメント
- 二次調整力①に係る事前審査・アセスメント
- 二次調整力②に係る事前審査・アセスメント
- 複合商品に係る事前審査・アセスメント
- 簡易指令システムの適用範囲及び通信方式
- 一次・二次調整力のアグリゲーションによる参入
- 三次調整力の市場ルール見直し
一次調整力に係る事前審査・アセスメント
技術要件
一次調整力の技術要件には以下の項目が含まれる:
| 項目 | 設定値 |
|---|
| 周波数計測間隔 | 0.1秒以下 |
| 周波数計測誤差 | ±0.02Hz以下 |
| 不感帯 | ±0.01Hz以下 |
| 調定率 | 5%以下 |
| 遅れ時間 | 2秒以内 |
アセスメント対象
アセスメントは、落札ブロック時間内における実績を対象とし、下げ調整による応動は評価対象から除外される。
アセスメント I および II
- アセスメント Iでは、∆kW落札量を供出可能な状態に維持しているかを確認し、実績を基準値と比較する。
- アセスメント II
- 平常時:出力変化量を評価し、傾きが調定率と同方向であることを確認。
- 異常時:電源脱落後の応動を評価し、10秒以内に出力が基準値に達する必要がある。
決定事項・制度変更
- 一次調整力に関連する事前審査は、各事業者が規定に基づいてその他の技術要件を満たしているかを確認する。
- 契約不履行に際しては、ペナルティの強度や対応策についても詳細に規定されている。
課題・リスク
情報の適切な伝達とデータの取り扱いに関するリスクが指摘されており、特に不正行為防止策が重要視されている。
今後の予定
各種アセスメントや審査の実施について、一般送配電事業者が定めた取引規程に従い、制度の改善が継続されることが期待される。
二次調整力に関する内容
二次①における基準設定とアセスメント
基準値の提出方法
- 事業者は原則として、各エリアのアセスメントⅡに合わせた計画値を提出すること。
- 1分単位の計画値提出も許容され、一般送配電事業者はその値を線形補間により評価間隔に変換する。
基準値の算出方法
- DSR等における基準値: 基本の算出方法は「直前計測型」とし、「事前予測型」の選択も可能である。
事前審査と確認事項
- 事前審査の目的はリソースの応動が商品要件および技術要件に適合しているか確認することである。
| 審査項目 | 模擬信号のイメージ | 出力結果のイメージ |
|---|
| ① 指令追従性 | LFC模擬信号 | 出力変化量 指令追従性 遅れ時間 |
| ② 遅れ時間 | LFC模擬信号 | 出力変化量 遅れ時間 |
| ③ 応動時間 | LFC模擬信号 | 出力変化量 |
| ④ 継続時間 | LFC模擬信号 | 出力変化量 継続時間 |
金銭的ペナルティ
- 二次①のペナルティ強度はΔkW落札価格の1.5倍とし、運用実態に応じ適宜見直しを行う。
二次②に関する概要
基準設定
- 二次②において、応動時間や継続時間を除けば三次①と同様の商品要件とし、技術要件は設けない。
事前審査
- 事前審査は三次①と同様にアセスメントⅡ同様の応動確認を行う。
重要な数値
- 二次②の金銭的ペナルティも、三次①、②と同じくΔkW落札価格の1.5倍とする。
複合商品における事前審査と契約不履行の対応
複合商品における事前審査
- 複合商品における事前審査は、応札予定の各商品の事前審査及び合成した指令信号への追従性能確認で構成される。
| 審査項目 | 詳細 |
|---|
| ① | 応札予定の各商品の事前審査 |
| ② | 合成指令信号への追従性能確認 |
アセスメント不適合時のペナルティ
- 複合商品におけるアセスメント不適合時のペナルティは、複合約定した商品に対して一体で課され、ペナルティ強度は三次①、②と同様にΔkW落札価格の1.5倍とする。
契約不履行への対応
契約不履行時の対応は以下のように定義される。
- アセスメントⅠ:故意または重大過失による場合は金銭的ペナルティや契約解除を検討。
- アセスメントⅡ:月に3回以上ペナルティの発生があった場合、事前審査を再実施する。
複合商品の精算方法
- 精算は落札ブロックを対象とし、kWhは落札ブロック内で全て調整力として精算する。アセスメント対象外のブロックについてはインバランスとして扱う。
今後のスケジュール
今後のスケジュールとして、複合商品におけるペナルティや契約不履行への対応を総合的に整理し、一般送配電事業者とともに運用を進めることが示されている。
この資料は、電力市場の調整力の細分化と広域調達に関する重要な技術要件及びアセスメントに関する内容を詳細に示しており、市場参加者にとって不可欠な参考資料となる。