2025年4月28日、同期電源の並列が少なく再エネ比率が約80%だったスペインを含むイベリア半島で、約3,100万kWの停電が発生した。最終報告書が第一要因としたのは系統電圧の上昇と、それに続く電源の連鎖停止である。低需要下での無効電力の需給不均衡に、系統動揺、同期電源の電圧調整力不足、手動運用の調相設備、発電機の計画外停止などが重なり、電圧上昇と電源脱落が進んだ。停電はスペイン・ポルトガル全域とフランスの一部に及び、復旧に約12~16時間を要した。
資料は、一般送配電事業者への確認を基に、最終報告書の推奨事項と国内の対応を整理した。優先度の高い項目は対策済みまたは検討中であり、足元で早急に追加対策が必要な事項はないとする。一方、再エネ導入がさらに進む将来系統や、国内でも課題となっている基幹系統の電圧上昇は継続検討の対象である。
| 論点 | 国内の対応・状態 | 残る検討 |
|---|---|---|
| 電圧制御 | 常時監視、電圧上昇時の送電線運用停止、調相設備の計画的増設、運用電圧のマージン確保などを実施。上位系の調相設備はほぼ自動制御可能で、足元の過酷断面の事故時電圧も評価済み | 配電系を含む再エネの最適な電圧制御方式、将来系統で必要なマージン・無効電力量、蓄電池の出力変化速度上限を検討中。国内では軽負荷期の電圧上昇なども報告されている |
| 系統動揺・保護 | 50Hz・60Hz系統ごとに解析モデルを共有して広域検討し、全国大のモデルも作成。PSS設置はグリッドコード化され、連系時の保護整定や事故後検証も実施 | 次世代UFRなどの最適制御を検討中 |
| 設備・事象の把握 | 特高連系事業者には必要に応じて電気現象記録装置とデータ伝送を求める。過電圧保護の標準整定値は115% | PMUは導入検討段階で、2030年代前半を目途に基幹系統の主要変電所などから設置を進める案。配電系DERのリアルタイム把握やFRT要件の将来見直しも検討課題 |
| 全停復旧 | 一般送配電事業者とブラックスタート機を持つ発電事業者が定期的に訓練・試験を実施。専用線通信設備には復旧に必要な非常電源を確保 | 配電系DERの詳細把握・制御性向上は今後検討 |
イベリア半島停電の提言は、電圧制御、系統動揺の抑制・監視、発電機・送電線・分散型電源の保護整定、急峻な電圧変動に対応する系統安定化機能、ブラックスタートを含む復旧手法の確立に及ぶ。国内ではこれらに対応する取り組みが進んでいるが、設備挙動・系統事象の把握ではPMU導入がこれからの段階である。資料は、一般送配電事業者と連携してPMU導入や将来系統の電圧制御を検討し、系統安定性の確保に取り組むとしている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「イベリア半島における大規模停電を踏まえた日本の電力系統での対応について(報告)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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