広域予備率だけでは把握しにくい小売事業者の調達状況を示す新たなシグナルとして、広域ブロック単位の「広域過不足率」を提示する案である。過不足率は、小売事業者の調達量と一般送配電事業者(TSO)の想定需要との差をTSO想定需要で除して算出し、0%を基準に、不足は負、余剰は正で表す。小売事業者に需要想定の見直しや供給力調達を促すことが主目的であり、過不足率に応じた取引を全事業者に義務付けるものではない。エリアごとの不足・余剰を単独で示すのではなく、追加供給力対策等の判断に用いる広域ブロックにおける需給状況として示すことで、エリア間の偏りを踏まえた行動を促す考えである。
2025年1~12月の全コマ・全ブロックの試算では、広域予備率が大きいほど広域過不足率は余剰、小さいほど不足となる傾向があり、とりわけ予備率8%以下では不足傾向が強かった。一方、予備率が8%以上でも過不足率が低下するコマは多く、予備率だけでは小売事業者の調達不足を捉えきれない場合がある。予備率12%以下で過不足率が-5%以下だった割合は全体で1.75%(62/3,553コマ)、東京ブロックで1.33%(30/2,259コマ)である。追加供給力対策を実施したコマに限っても不足傾向が残り、予備率12%以下のうち過不足率-5%以下は12.8%(52/405コマ)であった。
この結果から、予備率が低いときの不足シグナルとして過不足率を示す意義が示された一方、予備率が大きい場合にも不足傾向が現れることが確認された。したがって、過不足率のみを根拠にインバランス料金単価を上げると、需給が安定している状況でも単価が上昇し得るため、望ましくないとの整理である。需給状況の把握には、広域予備率と広域過不足率を併せて見る必要がある。
現行制度では、TSOの追加供給力対策によって広域予備率(補正料金算定インデックス)が回復すると、小売事業者の不足傾向が料金に反映されない場合がある。この課題への一案として、広域過不足率が負の場合に、広域予備率へ広域過不足率を加算した値を補正料金算定インデックスとする方法を試算した。2025年東京ブロック実績では、予備率8%未満の32コマの平均単価が74円から86円/kWhに上昇し、6コマが上限の200円/kWhとなった。単価への影響が大きく、実際に適用するには調整が必要である。また、2026年10月以降の料金計算式変更後は単価上昇が想定されるため、過不足率の反映は確定事項ではなく、慎重な検討対象である。
資料では、まず広域機関が広域ブロック単位の広域過不足率を示すことを提案している。エリア過不足率も参考として算出するが、公表するかどうかは今後検討する。インバランス料金への反映については、電力・ガス取引監視等委員会と連携し、2026年度10月1日以降の新たな料金単価の状況を注視しながら、引き続き検討する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需給状況を表す新たなシグナルの検討状況について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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