需給調整市場運用状況報告書
資料の目的・背景
本資料は、需給調整市場の運用状況についての報告書であり、経済産業省が作成したものである。資料は、2025年1月30日に開催される第5回制度設計・監視専門会合に向けて提出されたものであり、電力・ガス取引監視等委員会が関与している。
需給調整市場の動き
1. 需給調整市場の動き(1月中旬まで)
2. 中部エリアの揚水発電
- 中部エリアにおける一般送配電事業者による揚水発電の随意契約について説明する。
前日取引(三次調整力②)の動き(4月1日〜1月15日)
概要
新たな募集量削減の考え方の導入
- 11月1日からエリアごとの状況や余力活用コストとのバランスを考慮した新しい募集量削減の考え方が導入された。
平均約定単価の傾向
- 12月の平均約定単価はエリアごとに異なるが、新しい募集量削減の影響で全体的に低い傾向となっている。
平均約定単価
| 平均約定単価 (円/ΔkW・30分) | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 12月 | 2.64 | 0.58 | 1.41 | 1.67 | 0.75 | 0.53 | 0.77 | 0.86 | 0.98 |
最高・最低約定単価
- 最高約定単価および最低約定単価についても各エリアごとのデータが提示されている。
最高約定単価
| 最高約定単価 (円/ΔkW・30分) | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 12月 | 49 | 95 | 97.2 | 182 | 95 | 95 | 95 | 95 | 9.38 |
最低約定単価
| 最低約定単価 (円/ΔkW・30分) | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 12月 | 0.33 | 0.33 | 0.32 | 0.33 | 0.33 | 0.33 | 0.33 | 0.32 | 0.33 |
想定費用と約定量
各エリアの想定費用と約定量データ
- 各エリアにおける想定費用とその約定量が示されている。
想定費用(億円)
| 想定費用(億円) | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 12月 | 1.85 | 0.43 | 0.83 | 1.61 | 0.02 | 0.54 | 0.22 | 0.43 | 1.00 |
約定量(ΔMW)
| 約定量(ΔMW) | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 12月 | 11,704 | 12,455 | 9,839 | 16,047 | 481 | 17,057 | 4,738 | 8,254 | 16,958 |
課題・リスク
- 需給調整市場における運用状況や、各エリアにおける調達率の向上が今後の重要な課題として挙げられる。
今後の予定
- 発電事業者と小売事業者との協議が進み、システム改修等が整えば、応札の開始が見込まれている。
- 調達率の状況は引き続き注視される。
中部エリアにおける揚水発電の随意契約について
概要
中部エリアにおいて、一般送配電事業者が揚水発電を随意契約で調達する経緯と状況について説明する。
1. 背景
- 第98回制度設計専門会合において、中部電力パワーグリッドが需給調整市場の週問商品の未達実績が8割を超えていることを報告した。
- これを受けて、緊急的にブラックスタート機能契約のある揚水発電機のΔkWを随意契約で調達することが認められた。
2. 揚水発電の運用状況
- 第3回制度設計・監視専門会合において、夏季(7月、8月)および秋季の運用状況について報告された。
契約概要
| 項目 | 内容 |
|---|
| 契約期間 | 2024年7月20日〜2025年3月31日 |
| 契約額 | 発電事業者に対する事後精算実施 |
| 契約容量 | 約61万kW |
運用状況(7月〜8月実績)
- 稼働状況: 夏季の調整力指令において、火力発電と比較して揚水発電の発電機会は少なく、稼働率は低い。
- 支払実績: 中部エリアの市場調達単価は4.2円/kWh・h、全国加重平均は6.6円/kWh・h。総合的な需給調整費用はレベニューキャップ申請値2.3円/kWhを下回る水準に抑制された。
3. 調達の意義
3.1 安定的な調整力の確保
- 揚水発電は短時間での起動停止が容易で、高い負荷追従性があり、需給調整に有用である。
- 現在、一部のエリアを除いて一次調整力や二次調整力の調達率は低い。
3.2 広域予備率の運用改善
- 現行の広域予備率は需給調整市場の調達不足に影響され、エリアでの低下傾向が見られる。
- 随意契約で調達した揚水発電機の供給力を広域予備率に計上し、需給調整市場の募集量から控除することで運用改善が見込まれる。
4. 今後の方針
- 揚水発電機の随意契約は、安定的な調整力の事前確保や広域予備率の改善に貢献する重要な取り組みである。
- 一般送配電事業者による調整力の公募調達の考え方に基づく対応が求められるが、今後の事例を参考にした他の事業者の検討が期待される。
- 中部エリアの運用状況は次回以降の会合で報告される予定である。