本資料は、家庭用・業務産業用・系統用蓄電システムと、電気化学式以外の長期エネルギー貯蔵システム(LDES)の現状分析を踏まえ、普及拡大に向けた課題と施策案を整理した結果とりまとめ案である。系統用・再エネ併設蓄電の投資採算は建設費、市場価格、応札戦略に大きく左右され、市場・制度の先行きも不確実である。資料は施策案を示すが、全体として決定済みの新制度や実施方針を定めるものではない。
系統用蓄電の補助事業案件の2024年度試算価格は設備費5.4万円/kWh、工事費1.4万円/kWhであり、設備費は2023年度の6.2万円/kWhから低下した。ただし、現時点の見積りに基づく試算であり、受変電設備や系統接続関連費用などを含まない場合がある。ヒアリングでは、補助金を使わない海外製システムに2〜4万円/kWhの案件もある一方、海外製と国内製の価格差は大きいとされた。国内外の大手Tier 1メーカーは導入実績が豊富で、安全性の信頼度に遜色はないとの意見も示された。
事業者は将来価格の予測難、制度変更、オフテイカー候補の少なさを課題とし、金融機関への説明やプロジェクトファイナンスの組成に困難があると述べる。混雑緩和、出力制御回避、設備投資抑制など、現状評価されていない価値の扱いも論点である。
補助事業データに基づく2023年度の平均設備費は、家庭用11.1万円/kWh、業務・産業用9.2万円/kWhである。家庭用は2022年度の11.7万円/kWhから低下した一方、業務・産業用は電池部分が7.1万円/kWhとなり、資源価格高騰や円安の影響が見られた。補助事業以外の実勢は、家庭用で設備費15〜20万円/kWh・工事費約2万円/kWh、業務・産業用で工事費を除き約20万円/kWhとのヒアリング結果である。補助事業の対象案件数や費目定義には限界がある。
家庭用ではPV自家消費・電気代削減が主用途で、災害時のバックアップ需要も増加傾向にある。低圧リソースの市場参加や配電系統混雑緩和の制度設計、製品比較指標、消費者向け経済性評価が課題である。業務・産業用はピークカット、自家消費、非常用電源等に使われるが、経済性の定量評価や運用ノウハウ、制度の予見性、性能・品質評価基準の不統一が導入障壁となる。
各国では実証助成、導入補助、税額控除、長期収益を支える入札制度が拡大している。揚水・CAESは商用化段階だが、重力蓄電、LAES、蓄熱、PtGtPなどは実証中または商用化途上の技術が多く、資料は商用化が2020年代後半以降となる技術が多いと見込む。長時間率ではkWh当たりCAPEXがLIBより低くなる傾向が示される一方、効率の低さ、技術開発費、立地制約、国内サプライチェーンの未形成が課題である。
事業者は、導入・実証・技術開発支援に加え、法令や市場制度への適用整理、長時間率の応札枠、慣性力など提供価値を評価する仕組みを要望している。LAESは発電設備として扱われる整理がある一方、託送料金免除や長期脱炭素電源オークションの募集枠への適用など、蓄電池と扱いが異なる、または不明確な制度が残る。
提案は、家庭用では販売チャネル・表示・経済性評価ツールの改善と低圧リソースの制度整備、業務産業用では仕様類型化・標準品・運用保守知見・収益定量化の整備、系統用では安全・サイバー対策、供給網強化、連系手続・工期・費用の予見性向上、市場価値の評価である。LDESについては技術実証と制度適用の検討を進める考えが示されている。系統連系情報の活用、事故情報の共有、国内製造・リユース促進などもアイデアとして挙げられるが、提案・検討事項であり、資料中で一律の決定事項とはされていない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(案)」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/index.html)をもとに当社作成
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