系統用蓄電池は、高速応答、充電可能、分散配置という特性を持ち、需給調整や再エネ余剰の吸収、ローカル系統混雑の緩和に活用できる可能性がある。無効電力調整や疑似慣性への貢献も例示されている。これらは資料が示す活用可能性であり、確定した運用ルールや導入実績ではない。
脱炭素オークションを使わず市場運用で収益を得る場合、市場価格の不安定さと制度変更の頻度から固定費回収の予見性が低く、プロジェクトファイナンスの適用が難しいとされる。容量市場は単年度オークションで価格変動が大きく、需給調整市場は募集量削減や上限価格、既存事業者を念頭に置いた価格規律が新規参入と将来収益の見通しを難しくしている。
ERAは、固定費の全額ではなく一部を確保する仕組みがあれば、大規模で系統安定化に資する事業にプロジェクトファイナンスを活用できる可能性を提起する。望ましい制度として、長期にわたる安定収入、蓄電池の特性・能力の適切な評価と収益化、新規事業者にとって適切な事業報酬を挙げている。いずれも提案であり、制度決定ではない。
| 論点 | 現行ルール等と懸念 |
|---|---|
| 調整率 | 火力機と同等の定格容量ベースで調整率を定めると、高速で定格一杯まで変動できる蓄電池の能力を活かしきれないおそれがある。 |
| 専用線 | 二次調整力①に専用線オンラインを求める要件は、分散型電源では社会経済的に合理的でない可能性があり、市場取引量を限定しうる。 |
| 下げ調整力 | 混雑緩和に寄与しうる下げ調整力へのインセンティブがなく、能力の活用・効率的な調達が難しいおそれがある。 |
火力・揚水を想定したルールでは、蓄電池の短い運転継続時間、充放電、SOC・サイクル制約といった特性を十分に反映できず、能力を発揮できない、または経済非効率となる可能性があるとして、蓄電池の特性を踏まえた制度設計を求めている。
通常はアグリゲータがサイト情報を集約し、運転計画と充放電指令を担う一方、一般送配電事業者からの現地直接指令経路もある。出力抑制指示をEMSメーカーのクラウド経由で制御できるかはエリアにより異なる。資料は、アグリゲータが情報・指令を束ねる構成を選択肢として示し、出力制御機能付きPCS仕様上の「配信事業者」の位置づけを早期に整理するよう提起している。これは構成案・要望である。
ERAは2023年10月に発足した事業者団体で、会員共通の課題を5つのワーキンググループで検討し、国・関係機関への意見提起や意見交換につなげている。資料の結びでは、系統用蓄電池の価値を系統・需給運用と市場で適正に評価し、固定費回収の予見性を高める制度・運用ルールの整備を求め、ERAとして制度設計の議論に協力する意向を示している。具体的な制度変更や実施時期は示されていない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「系統用蓄電池の可能性と課題について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/index.html)をもとに当社作成
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