本資料は、需要家側に設置する業務・産業用蓄電システムについて、代表的なユースケースを整理し、セグメント別に収益性を試算した結果報告である。基本的な「ピークシフト+余剰電力活用」では、現状の平均CAPEX 10.6万円/kWhの前提で全セグメントの収入が費用を下回り、投資回収は困難との結果である。収益性を高めるには、CAPEX低減または他ユースケースとの組み合わせが重要と整理している。これは試算と示唆であり、導入方針の決定ではない。
20年間の基本パターンでは、工場(昼間稼働)が最も収入の大きいセグメントである。ただしCAPEX 10.6万円/kWhの場合、同セグメントを含めIRRは負となる。最も収益性の高い工場(昼間稼働)でも、CAPEXを2030年度目標価格の6万円/kWhとした場合にIRR 1.8%となり、9万円/kWh以上では負となる試算である。
| 主な比較 | 試算結果・要因 |
|---|---|
| 工場(昼間稼働) | 収入10.4万円/kWh、IRR -7.6%。鋭いピークを削減でき、休日の余剰太陽光も多い。 |
| 自治体・病院 | 収入はそれぞれ8.5、9.2万円/kWhで、ピークシフト収入が中心。 |
| 店舗等・工場(24時間稼働) | 収入はそれぞれ7.8、6.0万円/kWh。24時間稼働工場はピークがなだらかで、余剰電力もほぼ生じない。 |
| 工場(昼間稼働)のCAPEX感度 | 6万円/kWhでIRR 1.8%、9万円/kWhで-4.6%、12万円/kWhで-10.5%。 |
価値提供先に応じたユースケースは7つである。需要家向けはピークシフト、余剰電力活用、停電補償(BCP)、環境価値向上、小売向けは調達費用等削減、小売・送配電向けは容量市場での供給力提供、送配電向けは需給調整市場での調整力提供である。評価対象として、基本のピークシフト・余剰電力活用にBCP、環境価値、小売調達費削減、または供給力・調整力を加える5パターンを設定した。
収益評価は、太陽光発電設備がある需要家への蓄電池の新規導入を想定し、導入前後の収益・費用差を導入メリットとする。モデルは自治体、店舗等、工場(昼間・24時間稼働)、病院の5区分で、20年間稼働を想定する。主な前提は、蓄電池CAPEX 10.6万円/kWh、容量劣化率年1%、充放電効率90%、蓄電池出力は契約容量の20%、太陽光出力は契約容量の50%である。追加ユースケースの収益は市場価格、報酬割合、応札・落札条件などの仮定に依存し、今回のセグメント別比較は基本パターンに限られる。
本資料では、ユースケースの組み合わせや事業者条件による収益性の違いは今後の論点として残している。次回以降、他ユースケースとの組み合わせやさまざまな条件で比較する予定であり、追加価値を組み合わせた場合の収益性は本資料では確定していない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「業務・産業用蓄電システムのユースケース整理と収益性評価」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/index.html)をもとに当社作成
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