本検討会では、同時市場の入札・約定・価格算定・精算など、再開後に検討してきた主要論点におおむね一定の方向性が得られたとして、議論を体系化した「第二次中間取りまとめ案」を作成する方針である。構成案は、導入の意義、基本的な考え方と各事業者の参加、取引の仕組み、約定結果の通知等、他制度との関係、追加検討事項、今後の進め方である。取りまとめにおける同時市場の全体像は、導入を提案する骨子案として制度設計WG等に報告し、導入に向けた議論につなげる案が示された。導入決定ではない。
同時市場は、実需給の約1週間前から電源調達・運用を最適化する構想である。中央が全てを管理する制度ではなく、発電・小売・送配電の各事業者が安定供給上の役割と責任を引き続き担う、という考え方が示されている。
| 参加者 | 参加・負担の基本案 | 主な留意点 |
|---|---|---|
| 発電事業者 | 原則、発電余力全量を供出し、電源情報も提供する。相対取引は原則自由で、自己計画電源の入札・登録も可能とする。 | 供給余剰や混雑等で制限が必要な場合、市場計画電源を抑制しても再エネ抑制や下げ余力不足が生じると判断されれば、自己計画電源も登録価格に基づきメリットオーダーで運用する案。地点・時間帯の事前公表に加え、制限可能性の年単位の見通し公表を検討する。 |
| 小売電気事業者 | 入札義務は負わないが、計画値同時同量義務に基づきゲートクローズまでに需要分を調達する。相対調達も可能とする。 | 市場取引に伴いkWh対価に加えアップリフトの応分負担が想定される。負担配分や市場外取引の登録方法は未確定。 |
| 送配電事業者 | 調整力必要量を登録し、約定・精算に必要な系統情報等を提供する。 | ΔkWの精算方法や余力活用契約の扱いは詳細設計・関連審議会等で検討する。市場調達分の調整力が優先活用される想定が示された。 |
市場の構成案は、毎日一週間先までの起動停止を計画する週間運用、前日のkWh・ΔkW取引を最適化する前日市場、前日・当日に計3回程度開く時間前市場、ゲートクローズ直前に原則出力配分を行う直前市場である。時間前・直前市場では、直前の市場からの約定量の差分を当該市場価格で精算する案である。ザラバ方式の市場開設は引き続き検討する。
ΔkWの時間前取引も、各市場時点で約定量と対価を確定するため、直前市場までの約定量の変化分を差分精算する整理である。想定需要の増減によりΔkWが減少したり、kWhへ振り替わったりする例が示されたが、個別例は起動費等を考慮しない簡略例であり、実運用は起動費を含む最適化を前提とする。
約定後は、市場価格や約定量を速やかに通知し、専用プラットフォームやAPI等で入札・結果・精算情報へアクセスできる仕組みを検討する。自己計画電源の制限見通しや取引・約定情報の定期公表、約定ロジックの継続的な検証・改善も方向性として提示された。具体的な方法や実施主体は未決定である。
費用便益分析の定量評価は、便益/費用比6.4~9.2である。対象は、調整力必要量低減による燃料費等の削減と、混雑時の電源持ち替え費用の低減であり、需給調整市場の応札不足や価格高騰の解消などは定量評価に含まれない。調整力の効率的調達を前提に置いた試算であり、資料は、需給調整市場等の運用改善を考慮しても導入費用に比して大きな便益が得られる可能性があるとの見方を示す。一方、便益の全項目を定量化した分析ではなく、費用便益の精査を求める意見も記載されている。検証Bではアップリフトの年間取引総額をkWh年間取引総額の1.8%と試算した。
SCUC・SCEDは北米市場で導入実績があり、理論上は国内導入可能と整理される一方、日本固有の事情や時間前同時市場に必要な技術的要請の検証は継続する。詳細設計では、発電の入札・情報提供義務、小売入札需要と送配電想定需要を用いるSCUCの組合せ、アップリフトの対象・負担配分、BG計画の作成・提出、揚水・DERの扱い、取引規律・監視等が課題である。
制度設計WGの意見には、中長期取引との整合、発電事業者の裁量や投資予見性、実務・システム面の準備期間、現行制度の改善策との比較、費用対効果や運用主体の実効性を見極める必要性が含まれる。これらは導入判断に向けた論点として示されており、結論は今後の検討に委ねられている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「同時市場の制度に関する論点について⑥ (取りまとめ方針等)」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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同時市場は、電力量(kWh)と調整力(ΔkW)を別々ではなく一つの計算で同時に取引・約定する市場です。日本卸電力取引所(JEPX)と需給調整市場に代わる位置づけで検討されており、電源の起動費や運転制約まで織り込んで全体の供給コストを抑えることを狙います[DOC:f524b648-6774-46ad-9431-707542335ec4]。
ベースロード市場は、石炭火力・大型水力・原子力といった、安く長時間動かし続ける電源(ベースロード電源)の電気を、小売電気事業者が年間を通じて買える形で取引する卸電力市場です。これらの電源を大手電力が主に保有していることが新規参入者の競争上の障壁になっているため、その解消を目的に2019年に創設されました[DOC:1d8b1bda-c259-49dd-83a3-24f6b634e457][DOC:53b91b8c-2de7-44c4-a799-f94ace3337f8]。
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