資料は、技術検討会社の将来想定と事業者意見を踏まえ、火力発電の設備容量・脱炭素化を2040・2050年についてモデルケース化したものである。決定された政策や事業者の確定計画ではなく、公表済み計画を反映しつつ、廃止・新設・リプレース等を事務局側で置いた試算である。
経年廃止は、廃止実績の平均に基づき稼働45年で設定した。新設・廃止が公表された案件は2025年3月末時点で新設2,590万kW、廃止2,540万kWを反映する。これに非効率石炭火力の廃止(2040年度までに約710万kW)、産業構造変化に伴う共同火力の縮小、経年廃止を加え、経年設備をリプレースする「大ケース」と、しない「小ケース」を比較する。
| ケース | 2040年 | 2050年 |
|---|---|---|
| 大ケース(経年リプレースあり) | 13,550~13,670万kW | 13,340~13,600万kW |
| 小ケース(経年リプレースなし) | 9,760~9,880万kW | 6,680~6,940万kW |
大ケースでは設備容量はおおむね横ばい、小ケースでは大幅に縮小する。実際の廃止時期は延命措置や個別設備の状況で45年から前後しうる。非効率石炭火力は一律に廃止する想定ではなく、バイオマス混焼を公表した設備や、事業者単位で効率目標を達成する場合は廃止対象から除く。
脱炭素化方針を公表済みの発電所はその方針を反映し、それ以外は技術検討会社の想定を基礎に設定する。CCS貯留量はRITEとデロイトの想定の平均を採用し、2040年1.1億t、2050年2.1億tとする。2040年は石炭火力を優先してCCSを導入し、貯留余力を使って一部LNGにも適用する。LNGのリプレースは水素混焼40%とする。2050年は貯留量の拡大を前提に、石炭・LNG・石油にCCSを広く適用し、LNGリプレースは水素専焼とする。
燃料別の設備容量試算では、大ケースの2040年は石炭CCS3,020万kW、LNG CCS1,500万kW、LNG水素混焼2,210万kWなどである。2050年はLNG CCS4,150万kW、LNG水素専焼3,890万kW、石油CCS830万kWなどとなる。小ケースでは、リプレースがないため、2040年のLNG水素混焼、2050年のLNG水素専焼はモデル上見込まれない。これらは前提条件に依存する設備容量の試算である。
CCS設備は回収設備の所内電力消費と発電効率低下を伴う。発電コスト検証の前提では、効率は石炭火力で3.8%、LNG火力で4.5%低下し、所内率は両燃料で3.7%上昇するため、出力は合計で約8%低下する。したがって、設備容量が同じでも系統から見た供給力は減る。
作業会の意見は、想定を左右する論点として整理される。設備寿命を一律45年とする妥当性や、設備ごとの寿命差をどう扱うかが指摘された。非効率石炭火力については、廃止時期の扱い、バイオマス混焼・事業者単位の効率目標との関係が論点となった。新設・廃止・リプレースや事業性評価中の案件は確定計画と区別し、事務局想定であることを明記すべきとの意見もあった。
脱炭素化では、2040年もLNG専焼が一定程度残り、水素混焼とCCSが併存する可能性、2050年に水素専焼とCCSが共存する可能性が示された。一方、水素とCCSの同一発電所への併用、CCSによる効率低下、土地・インフラ・経済性、施工人員や設備供給力の制約が指摘された。オークション落札案件と既公表計画の二重計上を避けること、発電事業者の公表方針も事業性評価や環境アセス段階であり確定していない場合があることが留意点である。資料はこれらの意見を踏まえたモデルケースを提示しているが、各論点への最終判断や実施決定は示していない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「技術検討会社の将来想定を踏まえた方向性について(火力)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/shorai_jukyu/)をもとに当社作成
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