2025年5月10日の3コマ(2:00–2:30、12:00–12:30、15:00–15:30)に、北海道・東北・東京・中部・北陸・関西の一部エリアでインバランス料金が111.09~158.37円/kWhに上昇した。需給には余裕があり、需給ひっ迫時の補正料金ではなく、調整力の限界的なkWh価格が料金に反映された事象である。
北海道の蓄電池が登録した調整力kWh価格は、最高166.21円/kWhであった。充電原資となるスポット市場価格は、対象期間(4月1日~5月10日)の日別最高値で11.69~20.96円/kWhであり、登録価格との乖離があった。事業者への聞き取りでは、計算に使う電池残量と実際の残量が計測方法の違いで大きくずれ、限界費用が高額に算出されたシステム上の問題が原因とされた。
同事業者はシステム改修を実施し、完了までの暫定対応として、直近1週間のスポット価格を基に限界費用を手作業で作成し、限界費用の10%を上乗せしない価格を設定することとなった。算出・登録手順の社内規定化と複数段階の確認も再発防止策として措置することとなった。
高額価格が他エリアにも及んだのは、KJCによる広域需給調整で北海道を含む広域ブロックが形成され、インバランス料金の算定に同ブロックで指令された調整力の限界価格が使われたためである。運用上、北海道以外には上げ余力が残っていた一方、北海道の蓄電池まで指令されていたように見える状況が生じていた。
調査で判明したのは、広域ブロックを特定する演算(②-1)と、指令する電源等を特定する演算(②-2)で、対象となる調整力の扱いが異なっていたことである。②-1では、北海道の高額蓄電池がエリア内確保分として対象外となり、北海道から東北への潮流と北海道・東北以西の広域ブロックが特定された。②-2では、北海道の不足想定量が大きかったため、エリア内確保分の蓄電池を含む北海道の調整力が指令対象となった。一方、東北から北海道への連系線に空き容量がなく、東北以西の調整力は北海道向けに広域運用されなかった。
インバランス料金は、エリア内確保分を含め、広域ブロック内で指令された調整力の限界的なkWh価格で決まる。このため、北海道の蓄電池価格がブロック内の料金となり、複数エリアに波及した。資料は、②-1の段階で蓄電池を対象に含めた場合には、東北から北海道向きの潮流となるが、その方向に連系線の空き容量がないため北海道は単独エリアとなり、蓄電池価格の影響は東北以西に及ばなかったと説明する。
資料は、調整力kWh価格を不合理に高く登録した事業者に問題があるとして、高値登録事業者への監視を継続する方針を示す。また、インバランス料金の算定方法との不整合を踏まえ、一般送配電事業者にKJCの改修を求めることとしている。具体案は、広域ブロック特定時にエリア内確保分の調整力も考慮し、ブロックの特定方法をインバランス料金の算定の考え方と整合させることである。これは資料時点での対応方針・提案であり、改修の完了時期は示されていない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「インバランス料金の状況等について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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補正インバランス料金の上限(C値)を200円/kWhから300円/kWhへ引き上げる見直しは制度として確定しているが、その適用開始時期は2026年4月から2026年10月への変更案が審議会に示された段階にある[DOC:b1ff5888-8cda-4f5f-9c30-ea428d0c950b][DOC:7fda28d9-433e-4693-922e-1d4d38ca1a63]。
インバランスとは、電気事業者が事前に届け出た発電・需要の計画値と、実際の発電量・需要量との差を指します。この差は送配電網を運用する一般送配電事業者が調整力で埋めるため、その費用を差を生じさせた事業者へ事後に精算する必要があります。その精算単価がインバランス料金であり、実需給時の電気の価値を反映する設計が取られています[DOC:ae9147dc-df56-49b2-931a-2c8b856e959d]。
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