資料全体の説明
目的・背景
本資料は、2023年9月20日に資源エネルギー庁と電力広域的運営推進機関が行った「検討会」における議論事項について提示するものである。過去の「卸電力市場、需給調整市場及び需給運用の在り方勉強会」や「作業部会」との関連をふまえ、今後の制度設計に向けた議論を展開することを目的としている。
議論すべき内容
- 前回の検討会では、今後の進め方について議論が行われた。
- 確認すべき定量的な分析の中心を以下に示す。
- A) 電源起動・出力配分(SCUC・SCED)ロジック
- B) 価格算定方法による市場価格等への影響
前回検討会の意見概要
委員・オブザーバーからの意見
- 秋元委員: 変動性再エネの増加を背景に、kWhとΔkWの同時約定が重要であるとし、コスト削減の必要性を指摘した。
- 松村委員: 技術的及び基礎的な問題が残存していることを指摘した。
- 市村委員: 他市場との関係を考慮する必要性を強調した。
- JPEA: 再エネの市場統合やFIT・FIPの取り扱いに関する視点を述べた。
- 監視委員: 市場メカニズムの機能強化を提案した。
電源の調達・運用に関する意見
- 東京ガス: 現行の売買形態の維持が必要であると強調した。
- 関西電力: 燃料調達のリードタイムに影響を与える運用制約を指摘した。
主要論点
今後の議論では、以下の重要な視点を考慮する必要がある。
- 時間前市場の設計と調整力確保のタイミング
- 電源の調達・運用に関するBGの自由度
- 約定価格の計算方法や費用の回収方法
時間前市場の設計
- 現行市場の設計を踏まえ、時間前市場のあり方に関する提案が示された。
- 案1: 前日の同時約定を実施し、時間前市場は現行のザラバ中心で運用。
- 案2: 前日同時約定に加えて、時間前市場でも同時約定を行う。
技術検証全体への意見
- 各委員から意見が寄せられ、以下の点が重要視された。
- 価格弾力性の検証: 五十川委員が強調。
- 調整力必要量の検証: 小宮山委員が提案。
| 重要論点 | 内容 |
|---|
| 時間前市場の設計 | 現行市場の改善案を提示 |
| 電源調達のBG自由度 | 相対取引の必要性 |
| 約定価格計算の重要性 | 発電事業者のコスト回収の必要性 |
今後のスケジュール
- 当会議での意見を元に、具体的な議論を進めることが求められる。
- 各委員の意見を取りまとめ、合意形成を図り、安定供給かつ持続可能な電力システムの実現を目指す。
電源構成
設備容量(kW)と電力量(kWh)
2022年度及び2032年度の電源構成は以下の通りである。
| 電源タイプ | 2022年度設備容量(万kW) | 2032年度設備容量(万kW) | 2022年度電力量(億kWh) | 2032年度電力量(億kWh) |
|---|
| 原子力 | 3308 | 3308 | 538 | 538 |
| 石炭火力 | 5065 | 5094 | 2824 | 2843 |
| 一般水力 | 2180 | 2197 | 741 | 741 |
| LNG火力 | 7912 | 8199 | 3288 | 2613 |
| 石油火力他 | 2162 | 1767 | 338 | 271 |
| 揚水 | 2739 | 2739 | 63 | 63 |
| 風力 | 529 | 1780 | 97 | 325 |
| 太陽光 | 7009 | 9707 | 851 | 1156 |
| その他 | 952 | 1009 | 506 | 506 |
| 合計 | 31856 | 35800 | 9133 | 9037 |
注記: 発電事業者自らが保有する設備についてのデータであり、必ずしも実現が保証されるものではない。
電源の販売・調達
- スポット市場や時間前市場での電力販売・調達は約**10%**となる。
- 各発電事業者及び小売電気事業者との契約には、売電契約や調達契約を含む長期・短期の取引がある。
論点1: 競争と安定を両立する市場・取引環境の整備
- 安定供給、価格安定性、および競争促進を同時に考慮した電源アクセス環境の整備が重要である。
- 双方向からの視点で卸商品設計の検討が必要となり、具体的な取引機会の充実が求められる。
その他横断的な論点
以下の横断的な論点が挙げられた:
- 前日同時市場で約定した電源の余力活用に関する仕組み導入
- 入札に必要な情報として、最大・最低出力、燃料制約等の把握
- 電源情報の一元的管理および市場全体の価格決定方式の見直し
電源の差替え
- TSOが把握できない形での電源差替えは安定供給上問題があるため、適切な対応策が必要である。以下の案が提示された:
- Three-Part情報の入札を行い、経済負担配分可能な電源として扱う。
- 発電事業者が自社で発電量を確定させたい電源との差替えを行うことを提案。
- 約定結果に基づいた登録と追加的な電源起動を行う。
約定価格計算の方法
- 約定価格の計算方法には、起動費や最低出力費用のkWh単価への織り込み方法や、Upliftが発生した場合の回収方法が含まれる。
- 同時市場の仕組みでは、全国9エリアでの価格算定が基本であり、混雑状況に応じた価格設定も検討する必要がある。
今後の進め方
- 具体的な約定ロジックの設計や実現性、事業者への影響を考慮しながら、同時市場の整備に向けた議論を継続する。
- 規制・会計上の問題についても調査・議論し、必要に応じて事業者へのヒアリングを行う予定である。
本資料は、エネルギー政策の重要な課題や今後の方向性を考える上での基礎資料として活用されることが期待されている。