広域負荷制限は、N-2故障時の社会的影響を軽減する系統安定化対策として整理された。系統増強を基本とし、費用・工期や施工可能性を踏まえ、技術的に可能で必要な箇所に補完策として適用する考え方である。広域機関・一般送配電事業者は、供給支障の規模や系統安定性への影響を考慮して対策を検討する。
適用にあたっては、N-2故障向けの運用容量拡大に使う負荷制限量の一部を、N-3以上の想定外故障によるブラックアウト回避用に確保する必要がある。電源脱落の規模が大きいと制御が間に合わない場合もあり、確保量には技術的な上限がある。中西エリアでは負荷側UFRが59.1Hzに設定されており、大規模事故時の停電影響も考慮して、発電側UFRの整定見直しなど負荷制限量の低減策を講じる必要がある。
広域負荷制限の実施単位は、広域ブロック単位、同期連系系統単位、全国単位の案を比較し、同期連系系統(50Hzまたは60Hzの交流系統)単位を基本とする方向が示された。広域ブロック単位は混雑対応に有利だが、ブロック判定システムが必要で、揚水ポンプ遮断の期待範囲も限られる。同期系統単位は特別な単位判定が不要で、系統内の揚水ポンプ遮断を期待できる一方、負荷制限後に連系線の一時的な運用容量超過が生じる可能性がある。全国単位は直流設備を跨ぐ制御改修が必要で、空容量次第で効果が限られる。
エリア間の分担は、周波数低下抑制効果が事故点からの電気的距離で大きく変わらないことを踏まえ、各エリアの需要比率を基本とする。長距離系統ではエリアごとに周波数変動が異なる場合があるため、需要比率だけでは負荷制限の実施頻度に偏りが出る場合、頻度を均平化する調整を行う考え方である。
制御方式は、系統安定化システムと負荷側UFRのいずれを選ぶか、方式ごとの特性を踏まえて検討する段階である。系統安定化システムは事故検出と必要遮断量の演算により精緻な制御が期待できるが、広域システムの新設コストが大きい。負荷側UFRは既存設備を活用でき、比較的コストを抑えられる一方、エリア内外の事故に対する動作協調が複雑で、整定検討用シミュレーション環境の整備が課題である。
広域負荷制限後の復旧方針は未確定であり、災害時連携計画の復旧手順を参考にしつつ、連系維持中の事故では連系分離後と停電規模・連系線状況が異なる点を踏まえ、実運用上機能する手順を広域機関と一般送配電事業者が検討する。復旧時には、負荷制限で停止したPVの出力を考慮せずに送電すると需給不均衡や追加のUFR動作につながるおそれがあるため、事前のPV出力を把握して送電量を決める必要性も論点である。
既に東北東京間連系線(東京向き)、中国九州間連系線(中国向き)、東北・東京の地内系統で、広域負荷制限を織り込んだ運用容量拡大が行われている。個別検討では中部関西間連系線(中部向き)と中国九州間連系線(九州向き)でも拡大が期待され、中部関西間は2025年1月に実運用へ適用済み、中国九州間は準備が整い次第適用する見込みである。地内系統では周波数維持制約が決定要因の送電線は調査対象の0.2%で、足元で喫緊の追加適用が必要な箇所はほぼないが、系統混雑の進展による変化には留意が必要である。
今回の整理は基本的な方向性であり、適用(拡大)の要否や詳細な運用・復旧上の論点は今後も検討する。特に、実施後の混雑対応、制御方式、復旧手順、PV出力の扱いを関係者と詰める必要がある。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「広域的な負荷制限の在るべき姿について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/unyouyouryou_sagyoukai/)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。