この回のダイジェスト
供出可能量の見直し案など、需給調整市場の制度課題を検討した回である。
この回で示されたこと
- 一次調整力の供出可能量を、現行の「0.2Hz低下時に10秒以内で供出できる量」から「0.6Hz低下時に供出できる量」へ見直し、異常時要件の「1.0Hz低下時に10秒以内」と比べて小さい量を採る案が示された。火力機・50Hzの定格容量比は5.1%から24.0%、揚水機・50Hzは8.4%から40.0%となる試算である。資料1
- 見直し案に伴い、異常時のアセスメントⅡを周波数低下の最下点に応じた評価へ変える案が示された。0.2Hz以上0.4Hz未満では落札量の3分の1以上、0.4Hz以上0.6Hz未満では3分の2以上、0.6Hz以上では全量を5分以上供出したかを確認する。資料1
- 発動指令電源が需給調整市場に応札・約定した場合も、アセスメントとkWh精算を行うこと、発動指令と調整力指令を同時に受けた場合の対応を検討したことが示された。資料では調整力指令に応じるケースと発動指令に応じるケースを比較し、各市場で生じるペナルティ額を約438,029円、約18,600円と試算している。資料3
- 需給調整市場の募集量から控除する市場外調整力の候補を、余力活用契約を結んだ市場非参入電源の「自然体余力」とする案が示された。控除の導入条件や量の算定方法、実需給時に余力が存在しない場合の対応は継続検討事項である。資料2
- 市場外調整力の候補設備は東北・東京・中部・関西の4エリアで確認されたが、調査量には追加起動余力も含まれ、控除対象案である自然体余力の量そのものではない。東北・関西では一次または三次②の必要量に対して1.6~2.4%程度とされた。資料2
- 複数ユニットを持ち下げて応札する際のペナルティリスクを抑えるため、一次または二次①を含む商品を落札し、落札量が定格の10%以下のリソースに限って、アセスメント許容範囲を広げる案が示された。対象や閾値X、開始時期は未決定であり、システム改修は多くの会社で約2年、最短でも2026年度の運開見込みとされた。資料4
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この回の資料と要約
- 1
一次調整力における供出可能量の考え方の見直しについて
- 一次調整力の供出可能量を、現行の「0.2Hz低下時に10秒以内で供出できる量」から「0.6Hz低下時に供出できる量」へ見直す案が提示されている。異常時の「1.0Hz低下時に10秒以内で供出できる量」と比べ、小さい方を採用する提案である。 - 試算では、揚水機の供出可能量は定格容量比で現行7〜8%から33〜40%へ拡大し、火力機は4〜5%から20〜24%となる。火力機はGF幅の機械的限界があるため、実際の供出可能量は大きくは変わらない想定である。 - 異常時のアセスメントⅡは、周波数低下の最下点に応じた供出量を確認し、発生の都度、手作業で評価する案である。平常時対応に特化したオフライン枠の考え方は維持する。 - いずれも資料上の提案であり、システム改修の混雑を踏まえて早期実施を目指すとしている。平常時・異常時の必要量比率が変化した場合は見直しが必要となる。
- 2
市場外調整力の控除に関する検討について
- 需給調整市場の募集量控除候補は、余力活用契約を結ぶ市場非参入電源の自然体余力(領域②)と整理されたが、導入は未決定である。 - 容量市場の控除条件を参考に、市場外分の検出、二重計上防止、安価性、安定供給上の保守性を確認する考えである。 - 設備量は東北・東京・中部・関西で確認され、他エリアはゼロだったが、調査値には追加起動余力も含まれる。 - 控除対象設備の特定、変動する自然体余力からの控除量算定、実需給時の不足への備えが今後の課題である。
- 3
発動指令電源が需給調整市場に応札した場合の対応について
- 本資料は、需給調整市場における発動指令電源の機能と精算方法を検討したものである。 - 発動指令電源は1MW未満の電源であり、需要応答や自家発を組み合わせて供給力を提供可能である。 - 今後は2020年度容量市場オークション後に発動指令電源の運用信頼度確保方法を検討する予定である。 - 発動指令と調整力指令の同時受信時における課題と対策が重要な焦点である。
- 4
アセスメントに関する課題と対応の方向性
- 複数ユニットの持ち下げ応札では、落札量が小さいほどアセスメント許容範囲が狭まり、ペナルティリスクが高まることが応札障壁と整理された。 - 対応案は、一次または二次①を含む商品を落札し、落札量が定格の10%以下となるリソースに許容範囲の拡大を適用することである。 - 緩和幅を広げると小口リソースの逸脱が累積し、安定供給に影響しうるため、閾値Xや対象条件は未決定である。 - システム改修には多くの会社で約2年を要する見込みであり、国・一般送配電事業者と緩和内容や開始時期を継続検討する。
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需給調整市場検討小委員会
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