インバランス料金制度に関する審議会資料のまとめ
資料の目的・背景
経済産業省が提供した資料は、インバランス料金制度の詳細設計に関するものであり、制度設計・監視専門会合で議論された内容をまとめている。特に、補正インバランス料金に関する検討が中心となっている。
主要な検討内容・論点
前回会合の振り返り
- 前回の会合では、需給ひっ迫時のインバランス料金の暫定措置解除に関する意見が各事業者から提出された。
- 今回はそれを受けて論点の整理が行われ、討論が求められている。
議論の中心テーマ
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C値・D値の見直し
- C値及びD値の現状を考慮し、適切な数値への見直しが検討されている。
- 計画遵守に対するインセンティブの付与が求められている。
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補正料金算定インデックス
- 現行の算定方法では需給ひっ迫時の価格シグナル機能が不足しているため、信頼性の回復が必要である。
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長期的な措置(セーフティネット)
- 上限価格が持続した場合の対応策をC値の設定とともに議論する必要がある。
各事業者の意見
- SBパワー: C値の600円/kWhの妥当性を評価し、需給調整市場の流動性確保には300円/kWh程度が望ましいとした。
- エネット: 計画遵守のための電源調達環境の限界を指摘し、C値の見直しやセーフティネットの導入を提案した。
- イーフロー: DR(需要反応)を取り入れるための料金引き上げの必要性を強調した。
- 東北電力: C値の段階的引き上げとその効果について意見を発表した。
- 東京電力PG: 広域予備率の変動の影響を懸念し、適切な情報の発信が求められている。
委員・オブザーバーの主要意見
- 山口委員: インバランス料金の引き上げを行うべきとの意見を示した。
- 松田委員: 広域予備率の改善やC値、D値の現実に即した検討を主張した。
- 二村委員: C値、D値の見直しの必要性を強調し、制度の整理を提案した。
今後の予定
- 2024年度に向けた補正料金算定インデックスの見直しが進められる。また、議論を経て具体的な制度改正手続きを進める必要がある。
課題・リスク
- 現行の補正料金算定インデックスが需給ひっ迫に対する適切な対応を欠いているため、制度設計の見直しが急務とされる。
- 各一般送配電事業者間での情報の信頼性が確保されない場合、市場の安定性に影響を与えるリスクが存在する。
重要な数値・データ
| 項目 | 現在の水準 | 提案された水準 |
|---|
| C値 | 600円/kWh | 300円/kWh程度 |
| D値 | 45円/kWh | 50円/kWh程度見込み |
1. 広域予備率と補正料金算定インデックスとの比較
1.1 東京エリアの状況 (2024年7月30日)
-
広域予備率最小時刻
- 時間帯: 10:00-10:30
- 乖離幅: 0.70%(広域予備率 4.02%、補正インデックス 3.32%)
-
乖離幅最大時刻
- 時間帯: 17:00-17:30
- 乖離幅: 1.27%(広域予備率 15.63%、補正インデックス 14.37%)
1.2 中部・北陸エリアの状況 (2024年9月18日)
-
広域予備率最小時刻
- 時間帯: 16:30-17:00
- 乖離幅: 2.22%(広域予備率 5.20%、補正インデックス 2.98%)
-
乖離幅最大時刻
- 時間帯: 17:30-18:00
- 乖離幅: 2.38%(広域予備率 7.97%、補正インデックス 5.59%)
1.3 関西・中国・四国・九州エリアの状況 (2024年9月18日)
-
広域予備率最小時刻
- 時間帯: 16:30-17:00
- 乖離幅: 2.22%(広域予備率 5.20%、補正インデックス 2.98%)
-
乖離幅最大時刻
- 時間帯: 17:30-18:00
- 乖離幅: 2.38%(広域予備率 7.97%、補正インデックス 5.59%)
2. 補正料金算定インデックスの見直しについて
2.1 補正インバランス料金への反映方法
- 別案の提案: 追加供給力対策のコストを補正インバランス料金に反映する方法として、縦軸で調整する案が考えられている。
2.2 今後の進め方
- 補正料金算定インデックスの課題を示し、改善策として以下を検討。
- 追加供給力対策分を控除する方法
- コスト調整方法の見直し
3. 重要な論点
- 補正料金算定インデックスについて
- 長期間上限価格が継続した場合の措置について
- C値・D値について
海外における補正インバランス料金の上限価格
概要
- 海外では補正インバランス料金の上限価格が概ね数百円から千円程度に設定されている。
各国の事例
| 国名 | VOLL | 補正インバランス料金の上限価格(概算) |
|---|
| 英国 | £6,000/MWh | 約900円/kWh |
| テキサス州 | $9,000/MWh | 約1,000円/kWh |
| アイルランド | €3,000/MWh | 約450円/kWh |
C値の引き上げによる不適切な行動に関する対応
背景
- C値の引き上げにより、事業者によるインバランス料金の不正な引き上げが懸念されている。再発防止策が求められる。
懸念される影響
- C値の上昇が需給調整市場及びインバランス価格に影響を及ぼす恐れがある。
対策と今後の方針
監視委員会の対応
- 需給調整市場ガイドラインに基づき、事業者に対する監視を強化する。
- インバランス料金予測に機会費用を含めることを確認する。
今後の進め方
- 次回以降、補正料金算定インデックス及びC値・D値の見直しについて影響分析を行う予定である。