2024年4〜10月の需給調整市場では、前日取引(三次②)の10月平均約定単価・想定費用は多くのエリアで前月を下回った。北海道の最高約定単価は8月321円から9月49円、九州は9月197円から10月95円へ低下し、東京の想定費用も9月24.13億円から10月10.13億円へ減少した。一方、週間取引(一次〜三次①)は北海道・九州の平均単価が他エリアより高く、最高単価が上限価格に達する状況が続く。九州は約定量が東北・関西より少ない一方、想定費用が最も高い状況が継続した。調達率では東京の一次・二次①が著しく低く、中部も一時的な応札後に低調な状態へ戻っており、監視を継続する。調達率の低い東京・中部では余力活用契約に基づく起動指令が多い傾向があり、起動費等も引き続き注視対象である。4〜9月は確報、10月は速報値である。
2023年度以降、落札電源の実需給断面で差替後ΔkW価格の再登録が必須となり、発電事業者の差替インセンティブが弱まり、非効率な電源運用につながる懸念が示された。事務局は2025年度からの運用見直し案を提示し、会合での議論を求めている。
| 論点 | 提示された見直し案・条件 |
|---|---|
| 利益の帰属 | 当面、一般送配電事業者と発電事業者で等分し、運用実績を踏まえて見直しを検討する。 |
| 精算方法 | MMSへの差替後価格の事前再登録を不要とできるようにし、発電事業者が後日価格を算定して一般送配電事業者と事後精算する。 |
| 監視 | 発電事業者が差替理由・諸元を提出し、一般送配電事業者が確認する。合理性に疑義があれば監視等委へ報告し、同委も事後監視する。 |
等分案は、発電事業者への差替インセンティブと、託送料金等に影響する調達価格の低減を両立させる考えである。意図的に高コスト電源で応札して利益を得る懸念に対し、需要減少や太陽光予測増加などの合理的理由を確認する。持ち下げ供出では、従来の事後精算に加え、起動供出機と持ち下げ供出機の単価を加重平均して全ユニットに適用する案が提示された。これにより持ち下げ機だけの落札を避け、事業者収益を調整前と同等にして精算負担を減らせる可能性があるが、採用は未決定である。
高値落札調査では、当年分の固定費回収後もΔkW価格の「一定額」を見直さず、0.33円/ΔkW・30分以上で計上した事業者が複数確認された。事務局は、固定費回収後の一定額を0.33円と明確化し、該当事業者に見直しを促す方針を示した。三次②は上限価格がなく、募集量に対して応札不足となると応札事業者が価格決定力を持つ状況が生じ得るため、調査・監視を継続し、必要に応じガイドライン改定を行う。
蓄電池VPPのB種電源2件では、追加リソース分の固定費、他市場収益、想定約定量を確認した。一定額が基準の1.64円を超えるため個別精査したが、不適切な点は見つからず、事務局確認済みの数値を認める提案である。逼迫時の応札、固定費回収後のマージンを0.33円とすること、固定費回収状況を3か月ごとに報告することにも対応する方向を確認した。
2024年度から揚水の運用主体が調整力提供者に統一された後、スポット市場での値差取引や週間商品の応札障壁などにより市場供出が減り、調整力の事前確保が難しくなった。余力範囲の整理は中長期課題とし、当面の案として、需給調整市場で調達未達があり、翌日計画時点で余力活用電源を追加起動しても必要量を満たせない場合に、一般送配電事業者が揚水の運用主体を一時的に担うことが提示された。広域機関の集計では、4〜8月に追加起動後も調整力不足となったコマは東京138、中部・関西は各0であった。
事務局は、発電事業者と調整のうえ一般送配電事業者の判断で実施できる案を示し、余力活用契約上の根拠を事前確認し、必要なら契約を見直すよう求めることも提案した。今冬の追加供給力対策で発動基準を広域予備率8%未満へ変更する暫定措置とは別の論点であり、本案は調整力不足への対応として今冬以降も継続する措置として検討されている。
中部ではブラックスタート機能契約の揚水約61万kWを随意契約し、2024年7月から運用した。7〜8月の支払水準は中部の週間市場調達単価等を下回ったが、重負荷期・軽負荷期を通じた経済性確認が必要である。随意契約は公平性・透明性の観点から例外的な手段であり、事務局による確認を前提に、他エリアも次年度に必要性を検討し得るとの提案である。中部の夏・秋を通じた実績は次回以降報告予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需給調整市場の運用等について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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