審議会資料の概要
本資料は、電力市場における競争環境の向上を目指す取り組みとして、内外無差別な卸売等に関するコミットメントとその評価の考え方について示されたものである。
目的・背景
- 内外無差別な卸売に関するコミットメントの評価方法を提供
- 電力・ガス取引監視等委員会により策定
- 主に、電力市場での競争環境の向上を目指す
目次
- はじめに
- 内外無差別の卸売等のフォローアップに至る経緯
- 不当な内部補助の防止に関する議論
- コミットメントに関する議論
- コミットメントの実効性確保に関する議論
- 各社のコミットメントに基づく取組に関する評価の考え方
- 経過措置料金の解除と競争環境
- 内外無差別な卸売等の進展
- 卸売市場に関する評価
- 結論と今後の動向
1. はじめに
我が国の電力市場では、旧一般電気事業者(旧一電)及びJERAが発電設備の大半を保有している。このため、小売市場の競争環境を歪めないために、電源アクセスの公平性が重要視されている。
具体的には、旧一電等が不当な内部補助を行うことにより、小売市場の競争が影響を受ける恐れがある。
2. 内外無差別の卸売等のフォローアップに至る経緯
不当な内部補助の防止に関する議論
- 競争環境の持続性が重要視されている
- 公平な電源アクセスが競争確保に寄与する
内外無差別な卸売等のコミットメントに関する議論
- 2020年7月に監視等委員会が旧一電に内外無差別の卸売等のコミットメントを要請
- 中長期的に発電からの利益を最大化しつつ、内外無差別な電力卸売の実施
- 小売コストの適切な認識の要求
コミットメントの実効性確保に関する議論
- 営業活動や取引条件の透明性が必要
- 定期的な進捗確認が求められる
3. 各社のコミットメントに基づく取組に関する評価の考え方
内外無差別な卸売の対象電源
- 明確な対象電源に関する整理が不十分なため、第98回制度設計専門委員会での整理が行われた
- 基本的には以下の4類型が対象外となる可能性がある:
- 自社で建設した電源
- 火力電源入札の落札電源
- 域外電源
- オフサイトPPAにおける新設電源
各社の評価実施のフレームワーク
- 評価は年に2回実施され、卸売の交渉や契約締結が評価対象
- 各事業者の取り組みが内外無差別性のコミットメントに沿ったものかを中間的に評価
| 項目 | 内容 |
|---|
| 評価対象事業者 | 旧一電等の各事業者 |
| 評価実施時期 | 年度上半期及び秋頃にフォローアップ |
| 総合評価の方法 | 重要な確認項目が全て〇評価であれば内外無差別が担保 |
4. 経過措置料金の解除と競争環境
経過措置料金解除の判断基準
- 競争環境の持続性が満たされていることが重要
- 常時バックアップの休止が可能であるが、内外無差別が担保されない場合は再度常時バックアップを再開する必要がある
- ベースロード市場における制度的供出量の控除の上限が**70%**に引き上げられる予定
評価に当たっての留意事項
- 発電部門と小売部門が分社化されていない事業者では無差別性の確認が必要
- 分社化されている場合は、グループ内での無差別性を確認することが求められる
5. 内外無差別な卸売等の進展
取り組みの具体化
- コミットメントの具体化が進み、以下の事例が観察されている
- 自社小売が他の小売電気事業者と同様に入札に参加
- 第三者が運営するプラットフォームを利用した卸販売の実施
- グループ内契約の見直しによる内外無差別な卸売の推進
今後の取り組み
- 脱炭素電源投資促進や市場環境整備についての検討が進められている
- 定期的なフォローアップを実施し、再エネ導入に対応した取り組みを整理する
6. 卸売市場に関する評価
評価結果
2023年度の単年卸に関する評価結果は以下の通りである。
| エリア | 評価結果 | コメント |
|---|
| 北海道 | 内外無差別が担保されている | |
| 沖縄 | 内外無差別が担保されている | |
| 東京 | 無差別が担保されていない | 既存の長期契約が影響 |
| 中部 | 無差別が担保されていない | 同上 |
復習ポイント
- 東京と中部においては長期契約の存在が評価に影響
- 各エリアの法定のアクセス提供確保が進められており、契約の見直しも期待される
7. 結論と今後の動向
競争的環境維持に向けた取り組み
- 小売市場の競争環境の維持が求められ、需要家利益の向上を図る
- 新しい外部市場の導入や契約の見直しにより、エネルギー選択の自由度を拡大する
監視の必要性
- コミットメントに基づく定期的なフォローアップが必要であり、環境変化に応じた評価見直しの検討が進められる
- 新市場の導入や卸販売のスキームの変化に対する必要な議論の継続が重要である
確認観点
一律の価格(体系)での販売に特有の確認項目
- 確認項目 20: 最低購入単位の合理性
- 確認項目 21: 希望量の配分方法
入札制度に特有の確認項目
- 確認項目 22: 入札参加状況
- 確認項目 23: 最低価格の公表状況
- 確認項目 24: 予定供出量の公表状態
スケジュールと今後の予定
- 各確認項目に基づく調査と評価が進められており、次回の評価会議において結果を報告する予定である。
この資料に基づき、電力市場の競争と透明性の向上に向けた取り組みが続けられることが期待される。