本資料は、旧一般電気事業者とJERA(旧一電等)が表明した「内外無差別な卸売等」のコミットメントを、対象電源、確認方法、評価結果の効果に分けて整理した案である。2024年6月時点では、10エリア中6エリアが「現時点で内外無差別が担保されている」と評価されている。評価の考え方は、電力市場や制度の変化を踏まえて今後見直され得る。
コミットメントは、①発電利潤の最大化を踏まえ、社内外・グループ内外の取引条件を合理的に判断して無差別に卸売すること、②小売価格・条件の設定では社内取引価格や非化石証書費用を適切に認識すること、の二本柱である。背景には、発電設備や安価な電源を旧一電等が多く保有し、新電力との電源アクセス条件の格差が不当な内部補助や小売競争の歪みにつながり得るとの問題意識がある。
旧一電等の子会社が保有する電源も原則として対象とし、完全子会社でない場合は受電量等に基づいて対象電力量を判断する。主な対象外類型は、①規模が小さく競争への影響が低いと判断される子会社電源、②火力電源入札の落札電源、③市場支配力を持つエリア外にあり域外需要向けと確認できる電源、④特定需要家が長期PPAで費用負担する新設オフサイトPPA電源である。既設電源を用いるオフサイトPPAは対象外とはせず、交渉機会、条件・価格、優先販売の有無、情報遮断を確認する。関連会社電源は必ずしも対象ではないが、各社の対象範囲の考え方をフォローアップで確認・公表する。
評価は10エリア単位で行い、契約締結後の上半期に内外無差別性を評価し、秋頃にも取組を中間確認する。対象は原則、前年度に締結し、実施年度以降を契約期間とする単年・長期卸および前年度の期中契約である。交渉過程と契約結果に加え、小売価格が調達費用を適切に反映しているかも確認する。
2024年6月の第7回フォローアップでは、北海道・北陸・関西・中国・四国・沖縄の6エリアを◎と評価した。東京・中部はコミットメント以前からの長期契約が残るため、エリアとして◎とは評価されていない一方、JERAが2026年度以降を受給対象とする長期商品の販売は無差別性が担保されていると評価された。九州は売れ残り分を2024年度期中に追加販売するため、評価が未確定であり、秋頃に再確認する。購入量上限などの個別課題は引き続き改善を求める。
資料は定期的なフォローアップを続け、全エリアで無差別卸売が担保される状態を目指すとしている。脱炭素電源投資、小売事業者の創意工夫、新市場・制度、卸販売時期や方式の変化を踏まえ、評価方法も必要に応じて見直す。旧一電が長期契約で確保する、出資関係のない事業者の電源はコミットメントの対象外だが、そのアクセス改善は別途重要課題として、契約見直しのモニタリング等を継続する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「[内外無差別な卸売等のコミットメントに基づく評価の考え方(案)]」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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電力の切替手続きそのものは、2016年の全面自由化時に構築された共通システムでほぼ標準化され、実務上の争点は限られた残余論点に絞られてきた。一方で、審議会が公表する「スイッチング率」「新電力シェア」は指標として異なる現象を測っており、2026年には競争状況の測り方そのものが変更された。本稿では、制度の現在地と指標の読み違えを避けるための論点を整理する。
新電力シェアは2025年12月時点で約22.1%、低圧のスイッチング率は51.4%に達した[DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。2022年の市場価格高騰による撤退ラッシュからの回復は数字上明らかだが、同じ時期に電源調達の前提(常時バックアップ、内外無差別卸、インバランス料金)と競争の担い手構成が静かに入れ替わっている。数字の回復と競争条件の変化を分けて読むことが、2026年度以降の調達判断の出発点になる。
日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
Policy Scope
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