東京中部間連系設備のうち電源開発送変電ネットワーク(電発NW)が実施する佐久間東幹線(山線)他の増強工事について、広域機関は2022年6月に報告された工事費増額とその経緯を検証した。工事費は当初計画の1,169億円から、電発NWの増額報告時には1,550億円となった。検証を踏まえた2023年3月時点の概略工事費は1,430億円であり、今後さらに低減する可能性がある一方、物価上昇や漏水に伴う基礎見直し等のリスクが顕在化した場合は最大1,534億円となる試算である。いずれも確定契約額ではなく、継続的な精査を要する。
| 工事費の状態 | 金額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 当初計画 | 1,169億円 | 送電778億円、変電391億円 |
| 2022年6月の増額報告 | 1,550億円 | 物価上昇等を含む電発NWの報告額 |
| 2023年3月時点の見直し案 | 1,430億円 | コスト低減策や変電設備調達等を反映 |
| 将来リスク発現時の試算 | 最大1,534億円 | 今後の物価上昇、漏水による基礎見直し等を想定 |
先行工区では、基礎型・深さの見直しにより、逆T字基礎等で8か所、杭・深礎基礎で7か所の見直し可能性を確認した。鉄塔周辺仮設備は21か所、運搬仮設備は1か所で見直し可能とされた。一般送配電事業者の提案も踏まえ、クレーン付トラックの活用、工事用地や道路舗装厚の見直し等にも低減余地を確認した。先行工区全体の低減額は、資料上、約47億円と整理されている。
ただし、見直し可能と確認された一部地点は、すでに本格工事に着手していたため適用困難であった。報告書は、早期に増額を把握できていれば回避できた可能性を踏まえ、適用困難な7地点についても低減策を反映した扱いで工事費を計上する方針を示した。
大幅増額の中心要因は、実施案の概略設計、とりわけ地点ごとの差が大きい仮設備費の算定精度である。仮設備費を直接工事費の70%として一律に見積もったが、実際に必要な費用は地点により大きく異なる。基礎設計ではマット基礎が選択肢に含まれていなかったことも判明し、電発NWは選定フローを直ちに変更可能と確認した。
地質調査は2018年度から進んでいたが、設計や工事費の乖離を早期に把握する確認が十分でなく、増額が明らかになるまで約6年を要した。予報発注では全工区の見積額が予定価格を上回り、予報発注外工種等の扱いも十分な検討を経ずに分けられていた。報告書は、電発NWのコスト管理機能の不足に加え、広域機関側にも把握・審議の遅れがあったと整理した。
電発NWには、一般送配電事業者の協力も得て全工区のコスト低減策を自ら精査し、広域機関が確認することを求める。予報発注外工種等は、安全・工程上の条件に配慮しつつ、可能な範囲で一般競争入札とし、参入業者への情報提供を通じて競争環境を確保する考えである。
今後、想定済みのリスクが顕在化し、増額が将来リスク発現時の概算工事費内に収まる場合は、工事遅延を避けるため、必ずしも事前のコスト小委承認を要しない。ただし、増額把握時に速やかに広域機関へ報告し、事案に応じて事前または事後に同委員会へ諮る。加えて、四半期報告で設計進捗と工事費変動をより詳しく確認すること、事業実施主体によるセルフチェック、一般送配電事業者との技術確認、広域機関・コスト小委による包括確認、実施案の評価方法の改善などが今後の検討事項として提案されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画 佐久間東幹線(山線)他増強工事の工事費増額に関する検証結果について(検証取りまとめ)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/kouikikeitouseibi/)をもとに当社作成
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