佐久間東幹線(山線)他増強工事について、2022年6月に1,550億円まで増額した概略工事費は、検証を踏まえた2023年3月時点の見直し案で、変電工事を含め1,430億円まで低減可能とされた。追加の低減策として3億円の削減を見込む一方、湧水対応などの工事リスクと今後の物価上昇を織り込むと最大1,534億円となる可能性がある。いずれも検証時点の見直し・想定であり、最終工事費ではない。
| 状態 | 概略工事費 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 2023年3月の見直し案 | 1,430億円 | 送電1,075億円、変電355億円 |
| 更なる低減策 | 3億円減の余地 | 工法・基礎・仮設備の見直しを今後精査 |
| 将来リスク発現時の試算 | 最大1,534億円 | 工事リスク20億円、物価上昇83億円を想定 |
変電主要設備の調達による36億円減は、本検証の対象外である。工事費には地内整備分を含む。
検証では、増額の大半が2022年1〜3月のコスト小委審議後に生じたと整理された。実施案の概略設計では、とくに地点ごとの個別性が高い仮設備費を、過去実績に基づく直接工事費との比率で積算しており、実態と合わない可能性が高かった。基礎工事の積算には精度上の限界があったが、実施決定前に詳細な地質調査を行うことは現実的に困難であり、当時の労務費・機械費の扱いは妥当と評価された。
また、2019年の予報発注時に施工業者の見積額が実施案を相当上回ったにもかかわらず、電発NWは全体コストの調整範囲と捉え、十分に精査しなかった。地質調査等が進んだ約2年間に設計と概略見積もりの乖離を把握する機会があったが、明確なコスト管理機能を持つ体制がなく、2021年後半の施工業者との協議が難航していた状況もコスト小委での議論に十分反映されなかったと評価された。
電発NWには、設計の進展に応じたコスト増額を早期に把握する管理体制の是正が求められた。予報発注では、現地調査や一部の地質調査が始まっていた段階で、仮設備などの設計精度を高め、最新の設計情報を組織内で共有すべきだったとされた。設計の不確実性は入札額へのリスク反映につながり得るため、競争性と実質的なコスト低減のためにも、設計精度に応じた入札方法の改善が必要とされた。
予報発注外工種は、コスト小委で十分な議論なく切り分けられ、工事費増額への影響も大きかった。今後は入札可能性を事前に調べた上で、工期、安全性、作業効率に配慮しつつ、可能な限り一般競争入札とすることが妥当とされた。新規参入者への説明を丁寧に行い、施工業者間の情報格差を抑える必要がある。
今後のコスト低減策は、事業実施主体である電発NWが自ら精査し、一般送配電事業者の協力を得て、広域機関が確認する方針案である。現場での追加的な工夫を検討する仕組みも必要とされた。今回示された将来の増額要因が顕在化し、増額が1,534億円の概算工事費内に収まる場合は、工事遅延を避けるため事前のコスト小委承認を必須としない案が示された。ただし、電発NWは増額把握時に速やかに広域機関へ報告し、案件に応じて事前または事後にコスト小委へ諮る。
広域機関は、四半期報告で設計進捗と工事費変動をより詳細に把握し、コスト小委で審議する仕組みや、事業実施主体によるセルフチェックと技術面の確認を含む効率的なコスト検証を今後検討する。応募者の実施案は、実施可能な設計・工事計画とコスト低減努力を丁寧に評価し、選定後も見直しの余地を検討する考え方が示された。これらは今後の検討事項であり、制度変更の決定ではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画 佐久間東幹線(山線)他増強工事の工事費増額に関する検証結果について(概要)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/kouikikeitouseibi/)をもとに当社作成
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