第7次エネルギー基本計画等を踏まえ、現行の長期展望への影響をシミュレーションした結果、年間総電力量が現行想定と同程度で、再エネ設備量も政策議論を踏まえ大きく変わらないため、現行の長期展望で示した費用便益比(B/C)の傾向は大きく変わらなかった。これはレビュー結果であり、個別の増強や規模を決定したものではない。需要と電源の配置が変わればB/Cや潮流も変化し、特に需要の地方分散が進む場合は増強規模の適正化が課題となる。
| 対象 | 主な試算結果と条件 |
|---|---|
| 東地域 | ベースでは北海道~東北間400万kW・東北~東京間600万kWがB/C上有位。再エネ出力制御の低減も加味すると600万kW・800万kWが有力となり、北海道・東北の出力制御率は約40%から約20%へ低下する試算である。 |
| 中西地域(中国九州間) | 第二関門の既設・計画分100万kWにさらに100万kWを加える規模(合計200万kW)は、ベースシナリオで条件によりB/C>1となる。これを超える増強ではB/Cが低下する傾向である。 |
| FC・全国 | 東・中西地域の増強を組み合わせたベースシナリオでは、FCを最大270万kW追加する幅で全国B/C>1を確認した。ほかの需要ケースでは、燃料費等の条件によってB/C>1となる範囲が異なる。 |
| 四国九州間の新ルート | 関西四国間設備の増強なしでは、試算したいずれの規模もB/C<1。関西四国間を280万kW増強する条件では、燃料費等によって約200万kWでB/C>1となる場合があるが、引き続き選択肢として扱う。 |
需要は2050年の年間総電力量12,500億kWhモデルを用い、ベースシナリオに加えて需要配賦を変えた2ケースを評価した。データセンター地方分散ケースでは、ベース比で北海道・東北等の需要が増え、東京の需要が減る。東地域のB/Cは全体に低下する一方、北海道・東北の出力制御率も下がるため、再エネ活用を保ちながら規模を調整する可能性が示された。電源立地地域への需要誘導が限定的なケースでは東京等の需要が増え、東地域のB/Cは上昇する。中西地域でも需要配賦に応じて評価が変わり、地方分散ケースは中国九州間増強のB/Cを下げ、需要誘導限定ケースは上げる傾向である。
試算では評価期間36年、割引率4%を基本に1%または2%も考慮し、アデカシー便益は停電コスト・調達コストに基づく幅で評価した。4%・便益下限では、需要ケースや燃料費・工事費条件によってB/Cが1を下回るものがある一方、便益上限や割引率1%の感度分析ではB/C>1となる範囲が広がる。再エネの一部を需要比率で配置すると全国B/Cは低下し、蓄電池設備量を±20%変えてもB/Cへの影響は限定的であった。再エネ設備量を将来の電力需給シナリオの水準に下げた参考試算ではB/Cが大きく低下するが、同シナリオは長期展望と策定目的・政策整合の前提が異なるため、参考結果として扱う。
前提には、太陽光260GW、陸上風力41GW、洋上風力45GW、火力139GW、原子力37GW、蓄電池24GW等を設定した。燃料費とCO2対策コストの見直しにより、石炭はLNG(MACC・ACC)より高価となる想定であり、現行評価から燃種のメリットオーダーが変わる。工事費は2026年公表の送変電設備標準単価等を参照する。比較対象の主要設備単価は2015年度から2025年度に平均約1.6倍となっている。
第3次広域系統長期方針では、大規模需要の立地・規模、再エネ等の電源の新設・リプレース・休廃止を踏まえて前提やシナリオを検討し、潮流変化に応じて地域間連系線と地内基幹系統の増強方策を見直す予定である。FCは全国B/Cの結果から具体的なルート・規模等の技術的検討を進めることが合理的とされたが、規模・時期は未決定であり、災害時の安定供給効果は評価手法が確立していないため今回のB/Cに含まれていない。
また、設備の高経年化と新規需要に対して、人材不足、施工力、ケーブル等の品薄、変電設備の長納期化、物流力低下が課題である。増強方策は実現可能性も考慮する必要がある。更新時期を迎える既設連系線は、混雑状況等を踏まえ、原則として現行容量を維持しつつ、主要設備や増強検討区間では必要に応じ増容量を検討する方針である。個別の増強規模・設備形態や既設更新の詳細は、今後の検討に残されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「広域系統整備に関する長期展望のレビューについて」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/kouikikeitouseibi/)をもとに当社作成
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