資料は、約定電源(青)と約定価格(黄)の相互関係を扱い、2つの運用・精算案を追加分析した進捗報告である。いずれの案も、同時市場の約定結果を受けてBG計画を組めるという要件を満たすと整理された。採用案は決定されておらず、両案の実現性や課題を引き続き検討する段階である。
| 案 | 価格算定・電源運用 | 今回の主な結果・課題 |
|---|---|---|
| 案① | 小売需要のSCUC①とTSO需要のSCUC②を計算し、両方で起動した電源を前提にSCUC③で価格算定・BG計画・実際の起動と出力配分を行う | 電源起動停止制約による未収束は、両ロジックの起動電源を全て起動する処理で概ね回避できた。試算では再エネ余剰時の抑制量増加が見られ、追加のロジック改善が必要である。 |
| 案② | SCUC①・②を独立計算し、kWh差分を取引上のΔkW-Ⅰとみなす。価格はSCUC①、BG計画・実際の起動と出力配分はSCUC②で決める | 需要誤差や再エネ変動等を含む検討では、TSO収支は平均でプラスになるとの見通しが示された。TSOが前日kWh取引を行う制度上の位置づけや、差分電源への補填方法は引き続き論点である。 |
2021年度の沖縄を除く9エリアのデータでは、TSO想定需要が小売想定需要を上回るコマが約63%(11,054コマ)であった。誤差率の絶対値では、TSO想定需要の方が小さいパターンが合計約59%、小売想定需要の方が小さいパターンが約41%であり、全体としてTSO想定の精度が高い傾向とされた。前日想定と実需要の絶対差の累積は、TSOの方が年間約30億kWh少なかった。
ただし、分析は2021年度データに基づき、市場価格が小売の需要想定に与える影響や、需要想定の将来変化は対象外である。需給ひっ迫時には、通常の月平均とは異なる需要想定の並びが見られるとの参考分析も示された。
案②では、前日から実需給までの差分取引を通じて、需要予測を外した側に最終的な負担が生じる構造が、ケース分析上は整合的とされた。TSO想定の精度が相対的に高いことから、TSO収支がマイナスとなる頻度・幅はプラスの場合より小さく、平均収支はプラスになるとの見通しである。再エネ上振れ・下振れの8ケース試算でも、個別に赤字となるケースはあるが、平均では黒字となった。
資料は、現行制度でもTSOが需給調整市場を通じて調整力のkWh価値を取引しているため、案②を同時市場経由の調整力kWh取引と位置づけられる可能性を示した。一方、青黄ロジックで追加起動される電源の価値が価格に反映されない場合、TSO収支の剰余金から補填する案も示されたが、混雑時等には原資不足となり得る。補填の範囲や条件は未確定である。
TSO想定需要が小売入札需要を上回る条件でのシミュレーションでは、案①の市場価格が案②より平均的に安くなりやすく、upliftは案①の方が多い傾向が示された。これは案①で起動電源が増え、最低出力が増加しても最低出力機は市場価格を構成しないためと説明される。ただし、差が生じる頻度・規模や、ΔkW価格、調整力kWh価格、補填を含めた発電側収入・小売側支払の総合比較は確定していない。
今後は、案①のロジック改善と広域系統での技術検証、需要想定の将来傾向、小売の適切な前日入札を促す仕組み、案②の取引の制度設計と補填条件を検討する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「市場価格算定方法(検証B)に関する進捗報告について(約定電源と約定価格の相互関係性②)」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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