資料は、EVを分散型エネルギー資源(DER)として使う際の出発点を整理した提案である。活用の柱は、①当日市場の価格や再エネ出力に合わせて充電時刻をずらすスマートチャージング、②配電網などのニーズに応じた充電シフトや出力調整である。欧州ではFIT終了と風力導入を背景に、当日(イントラ)市場との連携による系統安定と低価格充電が先行し、米国では地域により需要応答や配電電圧安定などのネットワークサービスが先行している。
欧州のJedlixは、EVメーカー、充電事業者、小売・需給調整事業者、系統関係者をつなぎ、複数国でスマート充電を提供する。自ら電力取引やアグリゲーションを担わず、パートナーとの連携で収益化する場合も多い。米国のev.energy事例では、充電・非充電の制御を、需要応答、地域網の最適化、再エネ吸収、価格最適化など地域のニーズに応じて使い分けている。
| 比較軸 | 海外の状況 | 日本への示唆 |
|---|---|---|
| 市場・系統ニーズ | 欧州は当日市場との連携、米国の一部地域は非充電や電圧安定が先行 | 当日市場の活性化には時間を要するため、当面の価値を別途設計する |
| 系統上の狙い | 米国では配電網の脆弱性や太陽光の過剰導入への対応 | 日本では中期的な配電投資の縮減・スリム化を狙う可能性が示される |
| 仕組みの広がり方 | 国・地点ごとに異なる仕様・プラットフォームで開始 | DER-FS NEDO実証のような、使いやすい統一登録・活用基盤が志向される |
日本の当面のEV貢献として資料が挙げるのは、再エネを吸収する充電と、日没時などの非充電である。ネットワーク側が必要なメニューを提示・公開し、完成車メーカー、ユーザー側工事会社、アグリゲータや小売事業者が簡単に連携できる仕組みが提案されている。欧州ではユーザーの移動燃料費削減が参加を促し、カリフォルニアでは州のエネルギー・公益事業当局が推進役となっている。日本では送配電事業者と完成車メーカーの協調が重要との見方が示される。
将来の当日(時間前)市場へのユーザー参加を見据え、車両側に位置・情報の取り込みと、外部から充電・非充電を制御する機能を備える必要がある。資料はその開発を2020年代中の課題として挙げる。また、高度なEV活用や産業の国際競争力に資するDER共通の情報・動作機能、欧米型の蓄電池残量管理も実証課題として提示するが、実施決定ではない。
EVの柔軟性を系統運用者やアグリゲータが把握するには、電池残量(SOC)の共有が鍵となる。現状、情報は完成車メーカーが保有し、国内の普通充電器では車両情報を取得できない。共有経路にはOEM個社とのテレマティクス連携、OEMとデータブローカの共通連携、充電器・スマートメーター、スマートフォン経由があるが、充電器経由は現状DC充電器のみ対応可能で、スマートフォン経由も対応できない場合がある。資料は、確度の高い把握に欧州型の共有プラットフォームを必要としている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「[次世代の分散型電力システムに関する検討会]」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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