本資料は、再エネ拡大に伴う需給変動への対応に、蓄電池、需要応答(DR)、EV、分散電源などのDERを活用する方向性と、国内外の制度・運用事例を整理したものである。国際機関の見立てでは、DERは系統と需要家の双方に便益をもたらす一方、その価値を引き出すには、系統状態の可視化、接続要件、市場参加、柔軟性への適切な対価を整える必要がある。
資源エネルギー庁の試算では、2030年度の業務・家庭リソースの供出ポテンシャルは容量市場で約9.6GW、需給調整市場(二次以下)で年間平均約24GWとされた。ただし、契約・制度・経済性の制約がない前提の試算である。現行制度上の制約を織り込むと、低圧リソースの需給調整市場参加や機器点計測の制限などにより、供出可能量は大きく縮小する試算となっている。
英国、米国、豪州、日本などの計画には、系統・リソースのデータ可視化、柔軟な接続と運用、アグリゲーターや小規模リソースの市場参加、需要家保護、送配電運用者間の連携が共通して現れる。英国NGESOのロードマップは投資・需要家・役割と責任・市場・デジタル化の5領域で2025、2030、2035年の段階目標を置き、英国の配電事業者UKPNはフレキシビリティ需要の公開、共通調達プロセス、透明な評価を進めている。米国カリフォルニア州はDER計画・市場統合・需要家プログラム等を扱うAction Plan 2.0を承認している。
日本の送配電網協議会のロードマップは、再エネ導入に向けた系統増強、既存系統の混雑対応、調整・安定化技術、離島等の分散型グリッドを柱とする。再給電方式や連系線増強、需要側リソース活用などを段階的に進める計画だが、資料自身が公表時点の審議状況に基づくもので、技術開発や審議に応じて見直すとしている。
| 領域 | 海外事例 | 資料が示す日本の状況・差 |
|---|---|---|
| EV・低圧リソース | EV充電制御や家庭用蓄電池・暖房を調整力に活用。英国ではV2Gの容量市場参加が検討され、欧州TSOは調整力取引基盤Equigyを開発 | EVの系統統合の道筋は未整備と整理。低圧リソースは一部市場で活用が始まる一方、需給調整市場への参加は認められていない |
| 建物DR | 欧州で省エネ契約にDR報酬を組み込むP4Pを実証。米国DOEは建物の効率・需要柔軟性を高めるロードマップを公表 | 省エネ法改正(2023年4月施行)で「電気需要最適化」を設け、再エネ余剰時の上げDR、需給逼迫時の下げDRを評価する枠組みを導入する内容が示された |
| 計測・市場参加 | CAISO等では限定的に機器個別計測を認め、評価方法や監視・監査を整備 | 市場取引での機器個別計測は認められていない。特定計量制度は2022年4月施行済みだが、需給調整市場での計測利用とは別の制度である |
| 配電運用 | 英国・オランダでローカル柔軟性市場が実運用され、DERMSやTSO・DSO連携も実証・導入 | NEDOがDERと系統情報を結びつけた調達プラットフォームのFSを実施し、2022年度から技術開発に着手。地域マイクログリッド支援や配電事業制度も整備されている |
海外事例は、制度が一様に確立済みという意味ではない。例えば、ローカル市場は英国・オランダで実運用、ドイツでは実証段階とされ、機器個別計測も市場・商品ごとに許容範囲が異なる。
EVでは、時間帯別・市場連動料金による充電時間の誘導、アグリゲーターによる充電制御、V2Gや容量市場への参加検討が紹介される。日本ではダイナミックプライシング実証で約4割の参加者に無料時間帯への充電シフトが見られ、V2Hは災害時の外部給電用途として導入支援が行われている。建物分野では、設備効率化だけでなくDR報酬を資金回収に組み込むモデルや、建物・居住者・系統を連携させるGEBが示された。
配電分野では、UKPNが系統制約のある地域を公開して柔軟性を調達し、ConEdがDERMS、配電管理、スマートメーター等の連携を進める。日本では、ローカル柔軟性活用の具体像や低圧リソースの市場参加などが、資料上の国内外ギャップとして挙げられている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「次世代ネットワークをとりまくDERの活用に関する国内外動向」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。