本資料は、分散型リソースを活用して、再エネ大量導入と電力の安定供給を両立する「次世代の分散型電力システム」の検討課題と進め方を示すものである。具体的な制度変更を決定する資料ではなく、以下の論点を検討会で深掘りする提案である。
検討の柱は、①EVやDRなどが系統にもたらす価値の発掘、②市場で価値を測定・評価する方法、③既存系統と補完・共存する分散型システムの構築である。背景には、再エネ拡大、電力需給ひっ迫、蓄電池等の導入進展があり、関連制度や次世代スマートメーターなどの環境整備も進みつつある。
EVは、災害時の非常用電源や、DR・ダイナミックプライシングによる充電時間の調整に既に活用可能である。今後の検討対象として、調整力の供出、ピークシフトによる系統増強の回避・混雑緩和、充電や無効電力による電圧管理が挙げられている。実証では、無料時間帯を設けた充電シフトに約40%の行動変容があったとされる。活用拡大に向け、機器個別計測、DERフレキシビリティ技術、料金メニュー、V2H導入支援のあり方が論点である。
改正省エネ法では、大規模需要家に「電気の需要の最適化」の定期報告を求める。審議会では、DR実績について、まず実施回数の報告を義務化し、時間単位の使用量を把握する事業者には高度な実績評価を任意で可能とする方向が検討されている。実施回数の報告は2023年度開始(初回報告は2024年)、高度評価は2024年度開始(初回報告は2025年)の予定であり、評価方法やベースラインは今後の検討事項である。これらは本資料で確定した制度ではない。
DRは2022年度向け電源Ⅰ’で229.7万kW(全体363.7万kW)、容量市場の発動指令電源では2025年度向けに475万kWが約定している。低圧リソースについても、小売への余剰電力販売や容量市場、電源Ⅰ’での活用事例がある一方、需給調整市場への参加は現時点で認められていない。
| 論点 | 現状と検討事項 |
|---|---|
| 機器個別計測 | 受電点計測では、他の負荷や太陽光の変動を蓄電池等で補正する必要があり、小規模リソースの能力を十分に使えない場合がある。機器点計測の評価方法、複数計量や変圧器損失、BG構成が論点である。 |
| 低圧リソース | 家庭用蓄電池・EV等を大量に束ねる場合、アセスメントや通信機器の費用を含めた社会的便益、評価方法、低圧向けベースラインを検討する必要がある。 |
機器個別計測は、広域機関等が参入要件、システム改修、不正防止策などを検討中であり、2022年度内の方向性提示が検討スケジュール案に掲げられている。制度変更や導入の確定を示すものではない。資料の試算では、機器個別計測や低圧参加を可能にすると参加ポテンシャルが倍増する可能性が示されるが、2020年度時点の暫定推計であり、現行制度の制約を置いた試算との比較である。
再エネやEVの増加に伴い、配電系統の混雑や電圧上昇・降下が将来顕在化する可能性がある。地域内のEV・蓄電池等を適切な時期に充放電するDERフレキシビリティは、逆潮流を調整して混雑を緩和し、再エネ接続や電圧管理を支える選択肢として示されている。NEDOは2022~2024年度に、系統情報とDER情報を結びつけて柔軟性を調達するシステムを開発・実証中である。
配電事業ライセンスにより、一定区域で配電網を運用し、災害時に独立運用する制度上の枠組みも始まっている。今後は、配電系統に求める役割、デジタル技術や次世代スマートメーターの活用、TSO・DSO間の費用・データ連携、アグリゲーターとの取引ルール、配電事業のビジネスモデルを検討する。
検討会は2022年11月に開始し、2022年12月から2023年3月にかけて4回程度開催する案である。個別論点を審議会等と連携して検討し、必要な制度改正等につなげる方針であり、新たな活用論点も必要に応じて追加する予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「本検討会の今後の進め方について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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