エナリスは、発電・需要双方のリソースを束ね、需給一体で電力利用を最適化するアグリゲーターを目指している。2021年度の実証では、低圧リソースを含む調整力制御の実績を得た一方、運用には計測・制御・費用面の課題が残る。資料は、低圧リソースの市場参加拡大に向けた運用案を提示し、2022年度のDER・再エネ実証で技術と事業性の検証を続ける内容である。
低圧リソースによる三次調整力②では、家庭用蓄電池・エネファーム・EVなど最大7,663台、制御可能量1,599kWで実証した。30分判定では一部時間帯に失敗し、その要因として、あるRAの指令不具合で家庭用蓄電池がローカルモードで動作したことが示された。別の2コマ実証では、3,740台・1,300kWで5分判定にも成功し、3時間ブロックの場合より供出可能量が増えた。これは実証結果であり、市場での恒常的な成果を示すものではない。
| 対象 | 実運用上の課題 | 資料に示す対応方向・留意点 |
|---|---|---|
| 低圧・家庭用蓄電池 | 太陽光発電中は抑制できる需要がなく、ネガワットを供出できない場合がある。通信費や需要家ごとの運転モードも制約となる。 | 逆潮流による調整力供出、運用シナリオ検討、容量市場入札などを挙げる。機器点計測だけでは解決しない課題もある。 |
| 高圧リソース | 施設需要や太陽光出力の変動に制御効果が埋もれる。研究施設では統計的ベースラインも作成しにくい。 | 調整力供出時の機器点計測を挙げるが、特例計量器のコストが課題である。 |
| Non-FIT再エネ | インバランス制度変更に伴う料金上昇で、発電事業者の負担が増加する。 | 発電量予測の精度向上を対応方向として示す。 |
研究施設とオフィスビルの事例では、施設内の別設備の起動・停止、不定期な負荷変動、EV充電などが施設全体の計量値に影響し、調整力リソース単体の効果を把握しにくい。機器点計測は、高圧リソースの供出機会を広げる手段としても示されている。資料は、需給調整市場での調達不足や約定価格高騰を背景に、応札可能なリソースを増やすことで調達コストを抑え、託送料金の低減・上昇抑制に寄与し得るとしている。
資料は、低圧リソースのリスト・パターン登録の実務負担を踏まえ、調整力供出対象の低圧需要家群を市場上の1需要家(リソース)として登録する運用案を提案している。BG化を目的とする案ではなく、家庭用蓄電池による下げDRを想定する。需要家の入替は、機器構成パターンを事前に送配電事業者へ提出し、承認と事前審査を受けたものに限る。供出可能量を増やす場合も再審査が必要である。
この案は制度上確定していない。現状、1事業者・1エリアにつき需要BGは1つとの認識があり、接続供給契約を2つに分けられるか確認が必要である。また、需要抑制BGでは供給地点ごとに計画を作る現行運用が、需要家群として扱う目的と合わない。エネファームはネガポジ型であり、ポジワット(発電BG)との組合せも検討課題である。
DER実証では、市場価格連動・経済DRやインバランス回避、二次調整力②、一次調整力、容量市場発動指令電源などを対象とし、低圧リソースによる三次調整力、複数市場への対応、5G+MEC制御も独自に検証する。再エネ実証では、太陽光・風力の予測、蓄電池を使ったインバランス回避と市場収益性、需給一体調整、リスクファイナンシング、事業性試算を扱う。いずれも実証計画・検討事項であり、達成済みの成果ではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「アグリゲーター 事例と課題」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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