2050年の都市ガスのカーボンニュートラル化に向け、LNGを合成メタン・バイオメタンへ段階的に置き換え、供給インフラや需要側設備を大きく変えずに炭素集約度(CI値)を下げる方向が示されている。2025年7月には高度化法で、ガス小売供給量の熱量ベース1%相当の合成メタンまたはバイオガスを2030年度に調達・導管注入する目標を設定し、対象事業者は2026年1月中旬までに計画を提出する。合理的に利用可能な範囲で5%相当を目指す基準も設けられた。割高な調達費用は所定の承認を経て託送料金原価に算入でき、環境価値は費用を負担した小売事業者に公平に分配する枠組みである。
合成メタンについては、排出係数への反映に必要な確認項目が2025年2月に整理され、託送制度で調達費を回収する場合のCI基準は、水素社会推進法を引用したサプライチェーン全体で49.3g-CO₂e/MJである。回収CO₂の由来や量、合成メタンの供給量・供給者・期間、排出削減価値の需要家への帰属などを確認し、CO₂の二重計上を防ぐ。
資料は、託送料金制度で合成メタンとバイオガスの双方を支援する以上、要件の差が調達選択を歪めないよう、バイオガスにもCI値を要件として設ける必要性を提示する。合成メタンの際と同様、知見を有する団体等にCI値の設定を検討してもらい、協議会で報告を受けることが提案されている。これは本資料で確定した基準値ではなく、検討を求める段階である。参考として、EU REDと米国カリフォルニア州LCFSにはバイオメタンのCI算定・閾値があり、家畜糞尿や食品残渣由来ではEUの方が高いCI値を置く傾向、ランドフィルガスは比較対象の廃棄物系原料より高めの値であることが紹介されている。
海外由来の合成メタン等は、LNGと既存のパイプラインやタンクで混合して輸入する形が現実的とされる。一方、海外からの調達については、環境価値が日本に届いたと確認する要件・証跡が未整理であり、現状では輸入燃料を合成メタン等として扱える仕組みが整っていない。資料は、①サプライチェーンが閉じ、投入と搬出が明確であること、②海外での調達量と輸入量が整合すること、③排出削減価値の二重主張を防ぐこと、の確認を論点として提示する。
検討範囲は海外での製造・調達から日本への到着までである。取引事業者や契約形態が多様なため、証跡の信頼性を確保しつつ、過度な要件で調達費を押し上げないバランスが議論事項となる。2030年度に向けては熱量価値と環境価値を一体で取引する想定であり、中長期の国内供給形態は、証書制度も含めガス事業環境整備WGでの議論を踏まえて検討する。海外の環境価値移転手法として、物理的連関を保つマスバランスから、属性を燃料と分離するブックアンドクレームまでが参考資料に示されているが、本資料は採用方式を決定していない。
国内では大阪・関西万博でe-メタン製造実証が行われ、ガスパビリオン来場者は69.1万人、協会アンケートでは約96%が合成メタンの特長を理解したと報告された。政策面では、持続可能燃料の需要を2035年までに2024年比で少なくとも4倍にするベレン宣言(11月14日時点で23か国が支持)に合成メタンが例示され、G7の行動喚起もe-メタン等のガスの生産・流通に関する知見交換を掲げた。一方、米国ではクリーンエネルギー政策の後退が示されるなど各国動向には差がある。海外産燃料の利用時に日本側排出をゼロとする国際的なCO₂計上ルールも未整備であり、サプライチェーン管理とは別に整理が必要である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第15回メタネーション推進官民協議会」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/methanation_suishin/index.html)をもとに当社作成
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