2026年度の全商品前日取引化後も応札不足が続くなか、事業者調査で確認された障壁のうち、先行対応可能な三項目について見直し案を提示した。いずれも本資料時点では審議・提案段階であり、要件変更はEPRXの取引規程改定後に順次適用する想定である。
| 対象 | 見直し案 | 主な条件・留意点 |
|---|---|---|
| 一次調整力の調定率 | 属地エリアの系統連系技術要件で調定率が定められる以前から連系していたリソースは、原則外として「5%以下」の要件を緩和し、応札を認める | GF機能を持つことが前提。調定率が大きいほど周波数偏差に対する出力変化は小さくなる |
| 折れ線調定率のリソース | 設備特性などやむを得ない理由がある場合、算定した供出可能量と異常時要件のうち小さい量で応札を認める | 折れ線調定率を人為的に設定する運用は原則不可。供出可能量は(A)最大調定率で0.6Hz低下時に出せる量、(B)0.6Hz以内の最初の折れ点で出せる量の大きい方。異常時要件は1.0Hz低下時に実機特性に基づき10秒以内で供出できる量 |
| 蓄電池の一次オフライン枠 | 容量上限の議論前に系統連系申込みを完了した対象蓄電池に、専用線オンライン化工事中の経過措置として参入を認める | 対象は原則、2023年9月27日以前に申込みを完了した1MW以上の特別高圧蓄電池。工事申込みから完了までで、期限はエリアの標準工期を基本とする。事業者に責のない遅延等には例外を設ける |
折れ線調定率は、通常時の周波数低下に対する応動量を不足させる設定を防ぐため原則認めない整理である。一方、機器保護など設備特性上の理由がある場合は、実際の応動を評価して例外的に扱う案である。一次オフライン枠にも同様の考え方を適用し、0.2Hz(北海道エリアは0.3Hz)で30秒以内に応動できる量を基準に、(A)最大調定率による量と(B)最初の折れ点での量の小さい方を用い、30秒以内の供出可能量と比較して小さい方を採用する。
調定率5%以下は、既存電源の多くが満たし、海外でも3~5%が設定されているとして従来要件に採用された。本案は、グリッドコードで要件化される以前の既設リソースを活用し、調達可能量を広げる狙いである。調定率が極端に小さい場合の周波数品質への影響や、折れ線設定の扱いは留意事項として残る。
2025年12月と2026年3月、九州の異なる配電系統で、一次オフライン枠として応動した蓄電池に起因する電圧フリッカが確認された。主因として、周波数計測の移動平均時間幅が未設定で瞬時値に追従したこと、出力変化速度が設定されていなかったことが挙げられた。
検証では、移動平均時間幅を設定しない場合や200~400ミリ秒ではフリッカが発生し、500ミリ秒または1,000ミリ秒では消失した。これを踏まえ、PCSによる周波数計測の移動平均時間幅は初期値を0.1秒とし、属地TSOから指定があれば従う要件案を提示した。既設リソースには要件化から1年間の経過措置を設けるが、その間にフリッカが確認された場合は早期対応を求める。出力変化速度の市場要件化は、系統連系時の各社対応を踏まえ、状況を注視して検討する案である。
燃料制約、応札価格や事後精算、募集量・締切時刻、蓄電池の運用・容量市場との関係など、調査では多様な要望が寄せられた。一般送配電事業者からは、中長期のΔkW確保、連系線確保上限、最小希望約定量の設定確認も指摘された。これらは本資料で対応方針を確定せず、調整力調達コストを踏まえ、関係各所と調整して必要に応じ具体的に検討する扱いである。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「一部商品要件等の見直しに関する検討について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/jukyuchousei/)をもとに当社作成
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2026年3月14日受渡分から、需給調整市場は全商品が前日取引化され、入札単位時間が30分に移行した(開始済み)[DOC:3e77bc52-8b6a-4fd8-95e4-cc566342a559][DOC:21690b2a-d72a-4827-91b3-b012b62f0db9]。同じ2026年度には、低圧リソースの市場参入と機器個別計測の制度も立ち上がる[DOC:e7217d17-3eb5-442f-9723-253c616ca568]。参入の間口が広がる一方で、複合商品の約定単価は前日化直後に半減しており、「参入できること」と「稼げること」が別問題になりつつある。
デマンドレスポンス(DR)をめぐる制度設計は、この2〜3年で「市場に参加できるかどうか」から「どの計測点で、どの粒度で調整力を評価するか」へと論点が移っている。2026年度は低圧リソースの需給調整市場参入と機器個別計測の開始が予定された年度であり、同時にインバランス料金のC値・D値見直しが効き始める年度でもある。本稿は、この転換が事業者の投資判断にどう効くかを整理する。
需給調整市場は2026年3月14日受渡分から全商品が前日取引・30分単位に移行し、二次調整力②を含む一次〜三次①は「複合市場」として一括で約定される仕組みに変わった(開始済み)[DOC:3e77bc52-8b6a-4fd8-95e4-cc566342a559][DOC:21690b2a-d72a-4827-91b3-b012b62f0db9]。商品単体の要件だけを見て応札可否を判断すると、実際の約定量・約定単価の決まり方を読み違える構造になっている。
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