資料は、英国・ドイツ・スペイン・ノルウェー・アイルランド・テキサスの制度を比較した参考整理であり、国内制度についての決定や提案を示すものではない。各国・地域で指標の細部は異なるが、解除判断や競争状況の評価では、消費者の選択・切替え、競争者の存在、市場行動を共通して確認している。
| 評価軸 | 主な確認内容 | 解除判断での扱い |
|---|---|---|
| 消費者の状況 | スイッチング率、契約・供給者の選択肢、消費者認識など | アイルランドは家庭部門の切替率10%以上を要件とした。英国は複数指標を総合し、特定の閾値を設定していない。ドイツ、スペイン、ノルウェー、テキサスは主にモニタリング指標として扱う。 |
| 市場構造・行動 | 市場シェア・集中度、競争者数、料金水準・価格差、新規参入や退出 | 英国、アイルランド、テキサスでは解除基準として考慮。ドイツ、スペイン、ノルウェーでは主に競争状況のモニタリングに用いる。 |
| 競争基盤・持続性 | スイッチングの容易さ、競争環境を維持する措置、事後監視 | 国ごとの差が大きく、料金規制の解除基準とは別の競争法・市場制度・構造措置で補う例がある。 |
アイルランドは複数の明示的条件を置いた。家庭部門では供給者変更率10%以上、独立した競争者2社以上がそれぞれ消費量ベースで10%以上のシェアを持つこと、既存事業者のシェアが業務用で50%以下・家庭用で60%以下であること、関連市場にアクティブな小売事業者が3社以上いることなどである。既存事業者ESB社については、小売部門のブランド変更に関するコミットメントも基準に含めた。
テキサスでは、新規小売事業者が供給区域内で40%超の市場シェアを得ることが基準価格制度の終了条件の一つであった(もう一つは2004年12月末)。一方、英国は各指標を総合的に評価し、規制解除の閾値を特段設けていない。資料中の数値条件は各制度固有の基準であり、国をまたいだ同一尺度の比較ではない。
料金規制の解除だけで競争の持続性を確保するのではなく、市場ごとに別の措置を組み合わせている。英国は卸市場制度の変更や大手発電事業者への発電所売却要請、競争法による濫用規制を実施した。スペインは大手発電事業者の発電容量の一部についてVPP利用権を競売に付し、市場支配力の軽減を図った。アイルランドはESB社の発電設備比率を国内総容量の40%以下とする方針に基づき、発電所の段階的売却等を進めた。テキサスでは容量オークションや発電設備の所有制限を設けた。
ドイツでは競争法による濫用規制が示されている。ノルウェーは2011年末時点で多数の事業者が存在し、卸市場のHHIも2,000未満であったことから、資料は特段の制度措置を採らずとも競争が持続する環境と整理している。各国の措置や市場状況は資料作成時点の記述である。
解除判断や事後評価では、切替率だけでなく、消費者の認知・満足度・切替理由、契約類型、供給停止や苦情、料金比較のしやすさなども対象となる。スペインでは規制料金廃止後も多数の需要家がラスト・リゾート価格を利用し、2012年6月末時点でその割合は72%であった。その後、2014年に卸価格を反映するPVPCへ移行した。これは、規制料金撤廃と消費者が実際に選択する料金・供給形態が必ずしも一致しない例として示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「諸外国における料金規制解除時の考慮要素について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_keika.html)をもとに当社作成
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