本資料は、小売電気事業者・料金メニューを消費者が比較して選べる環境について、欧州の制度例と国内の課題を整理し、今後の対応を問うものである。具体的な制度導入や対応方針は決定していない。資料が示す背景は、自由化の認知度やスイッチング件数は高まりつつある一方、スイッチングのメリットが分からないとの回答が各地域で2〜4割程度あり、選択環境の整備が公正な競争と電気料金の抑制につながり得るという問題意識である。
欧州エネルギー規制者評議会(CEER)は2012年、料金比較サイトのベストプラクティスを公表した。要件の柱は、事業者からの独立性、運営方法・資金源の透明性、比較対象の網羅性と不足の明示、料金やプラン条件の分かりやすい表示、情報の正確性・更新、利用しやすさとアクセシビリティ、消費者の認知・信頼の向上である。独立性の確保には、運営者の自主規制と当局の監視、自主認証や規制、必要に応じた公的サイトの運営など複数の方法が示されている。
欧州各国では民間運営と公的運営の双方があり、供給者からの情報提供を自主的に求める例、法的義務とする例、供給者が全メニューを掲載する例など、情報収集・監督の仕組みは異なる。英国Ofgemの「Confidence Code」は、供給者からの独立、公平な情報提供、全料金メニューの開示、独自データベース・計算機、結果表示、情報更新、第三者監査、苦情窓口などを定め、2018年末時点で11事業者が認定されていた。
消費者庁は2018年12月、経過措置料金の解除に先立ち、消費者が自由化や料金制度を正しく理解し、自身に適した事業者・プランを選べる環境やツールが整っていることを確認すべきとの意見を示した。知識不足やスイッチングへの不安が残る状態で解除され、十分な検討機会がなければ、競争圧力が働かず実質的な値上げにつながるおそれがあるとの理由である。また、切替手続や比較を面倒と感じる消費者への関心喚起と、比較サイト事業者の積極的な取組を求めている。
専門会合での意見は、比較サイトの公平性・正確性・中立性への信頼を確保する必要性と、規制強化がサイトの育成を妨げる可能性との両面を示した。刻々変わるキャンペーンを含む情報の正確な反映も課題として挙げられた。
前回ヒアリングでは、比較サイトの公平性が消費者の判断材料となる一方、サイト経由のスイッチングが減少傾向との事業者の指摘があった。また、営利事業としてのモデルが未成熟で、対応コストによっては事業者が撤退する可能性も論点として提示された。資料は、こうした便益と事業継続上の課題を踏まえ、消費者のスイッチング環境を高めるための今後の対応を検討事項としている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「消費者が小売電気事業者を選択する際の環境・基盤について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_keika.html)をもとに当社作成
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