電取委の検証報告書案は、電力・ガス市場の自由化や制度改革が進む中、電取委は適正取引の確保と競争促進において、これまで期待された役割をおおむね果たしてきたと評価する。一方、改革は道半ばであり、再エネ導入拡大やレジリエンス強化、新制度への対応を担う役割は広がるとしている。
電力小売では、2020年7月時点の参入者は662者、新規参入者の販売電力量シェアは2020年3月時点で約16%となり、料金メニューも多様化した。ただし、規制料金の経過措置を解除できる地域には至っておらず、需給ひっ迫時に価格に応じて需要を抑える取組も広く普及していない。卸市場ではスポット取引量が2015年度から2019年度に約19倍となり、2020年3月には電力需要の約35%に達した。発電の広域最適化や価格シグナルも進展したが、連系線制約のため一部地域では旧一般電気事業者が市場支配力を持つ状況が続く。ガス小売は2020年10月時点で82者が参入し、2020年6月の新規参入者シェアは全体約15%、家庭用11.3%である一方、供給源が限られ、卸競争は限定的である。
電取委は小売営業指針の整備、相談対応、不適正行為への勧告・指導を行い、卸市場では相場操縦規制や監視、内外無差別な卸売の要請等を進めた。送配電分野では託送料金審査、事業者監視、法的分離に伴う行為規制や需給調整・インバランス制度の設計に取り組んだ。ガス分野でも小売ルール整備、託送料金審査、ガス供給源へのアクセス改善などを実施しており、報告案はいずれも適正取引や競争促進に効果があったと評価する。
今後は、小売情報の充実や比較サイトの公平性、消費者広報、不適正営業への迅速な対応、デマンドレスポンスの拡大を進めるべきとしている。卸市場では地域別の競争監視に加え、需給調整市場・容量市場・FIP制度をまたぐ不適正取引の防止、内部補助防止、制度改善への提案が課題である。ガスでは設備の第三者利用や内外無差別な卸供給を促し、長期契約の高額違約金や新たなスタートアップ卸の実効性を検証する。LPガス市場も関連市場として分析することが望ましい。
送配電では、2023年4月開始予定の新託送料金制度について、5年ごとの事業計画・収入上限審査と、サービス向上・効率化を促す仕組みの設計が必要である。電取委には設備・系統運用の専門人材を含む審査体制の整備が求められる。発電側基本料金も、基幹送電線利用ルールの見直しを踏まえて詳細設計する提案である。
金品受領問題は報告案上、電力取引に直接関係する事案ではなく、工事発注の不当な増額や電気料金への影響も認められないとされた。このため、報道まで電取委が把握できず、自ら調査しなかったこと自体は問題ではないと評価する。一方、経産大臣が業務改善命令を出す際に必要な事前の電取委意見聴取を欠いた手続については、電取委はまず命令の撤回を求めてから内容を審査すべきだったと指摘する。今後、事前聴取を常に求め、同様の瑕疵があれば内容にかかわらず撤回を求めるべきとしている。また、送配電事業者の不適切な発注による支出増を、託送料金の超過利潤計算で費用扱いしない制度的工夫を検討し、監査で継続確認する提案がある。
報告案は、現行の法的位置付けや委員任命に重大な問題は確認されず、中立性・独立性が侵された事実もないと評価する。ただし、外部から疑念を持たれない透明性の確保が必要である。今後の業務拡大に向け、専門人材の確保、知見の組織内継承、研修や外部専門家の活用など事務局体制を強化する。また、競争促進や市場メカニズムによる効率性向上を含むミッション、制度設計への関与範囲を明確にすること、情報発信と消費者・市場参加者からの意見収集を強めることを提案している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電力・ガス取引監視等委員会の検証結果 取りまとめ(案)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_kensho.html)をもとに当社作成
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