本資料は、長期脱炭素電源オークションガイドラインの改定案である。改定案の差分は本文中に明示されていないため、ここでは案に記載された制度設計を整理する。制度は容量市場の一部として、落札電源に複数年間の容量収入を与え、新規の脱炭素電源投資に長期の収入予見性を付与するものである。投資促進と需要家の利益保護を通じ、脱炭素電力の提供、安定供給上のリスクや価格高騰リスクの抑制を目的とする。市場管理者は電力広域的運営推進機関(広域機関)である。
参加できるのは、国内法人(落札後に設立する一定のコンソーシアムを含む)で、電源を自ら維持・運用する者である。対象は設備投資が必要な運転開始前の安定電源・変動電源であり、既に容量市場で落札した電源やFIT・FIP認定電源は原則対象外である。
| 区分 | 主な対象・規模要件 |
|---|---|
| 脱炭素・安定電源 | 原子力の安全対策投資、地熱・バイオマス等の新設・リプレースのほか、火力の水素・アンモニア・CCS対応改修など。多くは送電端10万kW以上。水力・蓄電池等には3万kW以上などの別要件がある。 |
| 脱炭素・変動電源 | 太陽光・陸上風力・洋上風力の新設等は10万kW以上。安定供給力を提供しない水力は3万kW以上。 |
| LNG火力 | LNGのみを燃料とする新設・リプレースで、送電端10万kW以上。脱炭素電源とは別枠で募集・入札する。 |
電源種ごとの要件には、混焼率、設備容量、運転継続時間などの条件がある。2025年度は、対象となり得る一部技術について、上限価格の設定が困難であることなどから対象外とする旨が記載されている。
応札価格は事業者が投資回収に必要な価格を提示し、原則として価格の低い順に落札する。落札電源には個別の応札価格を適用するマルチプライス方式である。広域機関は募集量・電源種別の上限価格を公表し、応札受付終了から3か月後を目途に案件名・容量を含む結果を公表する。落札者は広域機関と容量確保契約を結び、制度適用期間は供給力提供開始年度の翌年度から20年を基本とする。20年を超える期間は認められるが、短縮は認められない。
応札価格に認められる費用は、資本費、運転維持費、資本コストである。建設費には原則10%の予備費を認め、系統接続費・廃棄費用などは定められた算定ルールに従う。資本コストは電源種や環境アセスメントの状況に応じ、税引前WACC 4〜6%を確保する水準で算定する。他市場収益は応札価格に見込まず、実績に基づく還付の仕組みを設ける。
監視等委員会は、落札候補案件の応札価格について費用の算定根拠や証憑を確認する。競争入札・相見積もりがない予定価格や特命発注には高額でないかを確認し、一定の水準を超える部分は合理的理由がなければ算入を認めない。落札後も、法令・行政対応など事業者にとって他律的で事前予測が困難な費用が大幅に増加した場合、申請に基づき増加額を監視する。
落札者は実際の他市場収益のおおむね9割を広域機関に還付する。還付割合は収益の区分により95%、90%、85%となる。監視等委員会は収入と可変費の報告を確認し、相対契約には無差別規律または市場価格規律を求める。可変費、とくに燃料費が特異に高額で還付額を不当に抑えるおそれがないかも確認する。リクワイアメント未達成には契約に基づく経済的ペナルティが科される。
水素・アンモニア混焼や専焼、CCS付き火力、LNG火力、および既設火力のバイオマス専焼改修には、2050年に向けた脱炭素化の取組を求める。対象事業者は応札時にロードマップを提出し、資源エネルギー庁の確認を受ける。ロードマップは約定結果公表から3か月後を目途に公表され、その後も更新提出を求められる。合理的理由なく脱炭素化に取り組まない場合、重大な違反として容量確保契約を解除できる。
火力案件は原則として電源全体の脱炭素化を目指し、必ずしも専焼化や100%CCSに限定しない。グレー水素・アンモニアを前提に落札した案件には、早期にブルーまたはグリーン燃料へ転換することを求める。LNG火力への対応要請は運転開始から10年後を基本とする。バイオマス専焼への改修では当面、年間70%以上の混焼率を求め、2050年までに専焼化を目指す。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「長期脱炭素電源オークションガイドライン(改定案)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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