広域機関は、2021年度以降のインバランス料金制度として検討中の「需給ひっ迫時の補正」により、系統利用者が不足インバランス料金の高騰を避ける行動を事前にとり、市場メカニズムを通じて需給改善と安定供給につながることを期待している。これは制度案の効果に関する見解であり、導入決定や効果の確定を示すものではない。料金の具体的な水準・予備率の定義も引き続き検討事項である。
米国テキサス州のERCOTでは、リアルタイム市場価格を予備力の低下に応じて上昇させ、予備力が最低水準の2,000MWに達すると上限価格(VoLL)を適用するScarcity Pricingを導入している。2018年夏は予備率不足と高値が懸念されたが、実際には高値の発生は限定的で、ERCOTは需給警報を発令せず、節電要請も行わなかった。資料は、計画停止の時期変更、発電機の整備、発電設備の自主起動、DR・分散電源の活用や先物市場でのヘッジなど、需給ひっ迫を見越した行動を要因として挙げる。ERCOTへの聞き取りでは、価格高騰の頻度は年によって異なるものの年3時間程度との説明もあり、価格シグナルが短期の供給行動や小売のヘッジを促す仕組みとして紹介されている。
ひっ迫時補正がある場合、小売事業者には、DR・自家発、相対取引、先物などで不足インバランスを避ける行動と、調整力に依存して高額な料金を支払う行動の二つが考えられる。資料は前者をとれば需給改善が期待できる一方、回避行動をとらなければ改善は期待しにくいと整理する。補正の狙いは高額な支払いそのものではなく、発電・小売事業者に事前の回避行動を促すことにある。小売による供給力確保が進めば、調整力の確保量が増えるリスクや社会コストの増大を避ける効果も期待される。日本のインバランス料金は調整力を15分単位で経済配分した限界費用を基礎とし、2023年度から5分単位となる予定とされ、ERCOTの5分単位の仕組みとは制度が異なるが、需給情報と価格を行動のシグナルとする点に類似性がある。
夏季のように一定の予見性がある需給ひっ迫では、補正料金を通じて事前行動を促せる可能性がある。一方、大規模地震など突発的なひっ迫では、予見に基づく行動の時間が乏しいため、市場停止・再開の考え方を別途検討する必要がある。市場停止時のインバランス精算方法も事前に定める論点として挙げられている。市場停止時も、電力の受渡しが可能になれば市場を早期に再開し、市場を通じた小売の調達と発電・DR等の供出による需給改善を図ることが期待されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「インバランス料金に逼迫時の価格補正を導入することで需給改善に期待すること」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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