2050年を見据えた系統事故時のインバータ電源停止を抑えるため、周波数・位相変動への耐量を強化するFRT要件案が検討された。中西6エリアの試算では、関西中国間事故で再エネ電源が3,584万kW停止する現状想定に対し、ブラックアウト回避には停止量を850万~900万kW程度以下に抑える必要がある。周波数と位相の具体案を適用したケースでは、系統維持が可能と確認された。要件案の採択や具体的な規定は未確定であり、グリッドコード検討会で詳細を詰める提案である。
| 見直し案 | 試算で確認した効果(中西6エリア) |
|---|---|
| 周波数変動:RoCoFの計測時間窓を300ms以上に定義 | 周波数要因の停止量は2,789万kWから52万kWに低減 |
| 周波数変動:事故後100msは電圧低下耐量を優先 | 周波数要因の停止量を0にできることを確認 |
| 位相変動:残電圧0.2~0.52puの領域Xで出力ゼロを回避し、可能な範囲で出力を維持 | 位相要因の停止量は1,425万kWから446万kWに低減し、系統維持を確認 |
同期電源が減ると短絡容量が小さくなり、事故時の電圧変動が大きくなる。インバータ電源は電圧波形から周波数や位相を検出するため、事故による波形の乱れを急峻な変化と捉えて停止する可能性がある。多数の停止は周波数低下を拡大させ、負荷制限でも回復できない場合には連鎖脱落やブラックアウトにつながりうる。
2030年想定では、北海道・東北東京・中西6エリアの電源線事故で一定のインバータ停止や負荷制限が生じるものの、試算上は系統を維持できた。一方、2050年想定の中西6エリアでは、関西中国間または中国四国間の事故で再エネ停止3,584万kW、負荷制限2,230万kWとなり、連系分離とブラックアウトのおそれが示された。これらは特定の需給・系統条件による試算であり、実機の制御や前提条件が異なれば結果も変わる。
系統側で同期電源を追加運転する案と、機器側でFRT要件を見直す案が比較された。いずれも最低限の系統維持は可能と示唆されたが、系統側対策は特定事故でも大規模な追加運転が必要となり、事故や系統状況に応じた費用が大きくなる懸念がある。このため、インバータ停止とそれに伴う負荷制限を抑える機器側対策を基本方向とし、状況に応じ系統側対策を併用する考えが示された。
停止量抑制に電圧階級の優劣はなく、再エネ電源の約半分を占める低圧分も含め、高低圧を対象とする必要がある。今回の効果分析は主に中西6エリアを対象としたが、北海道でも同様の周波数・位相耐量の見直しにより系統維持できることを確認した。
周波数対策はRoCoFの計測時間窓や、事故後100msの電圧低下耐量優先の扱いについて、設備側の対応要否と実現性を確認する必要がある。位相対策は領域Xで出力ゼロを避ける要件が必要とされる一方、設備改良とメーカーの開発期間を踏まえた段階的な導入方法は未整理である。詳細な要件化をグリッドコード検討会で進め、既設設備もPCSの劣化更新などに合わせて新要件へ順次対応させる方向が示された。単独運転検出など他の技術要件との整合も検討課題であり、より厳しい事象を捉える技術解析は中長期的課題とされた。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「「再エネ主力電源化」に向けた技術的課題及びその対応策の検討状況について~FRT要件の見直しの検討状況~」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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