家庭用蓄電池のDRready要件案を検討するためのメーカー調査では、DR制御は①HEMS等のGW経由、②DRサービサーからGWへの直接接続、③機器メーカーサーバ経由に分かれ、GWと機器の通信にはECHONET Lite、メーカーサーバ経由では独自プロトコルが多い。2023年度の出荷台数は171,396台で、メーカーサーバ経由の外部制御ポテンシャルは58%、ECHONET Lite準拠によるGW経由は100%とされた。これは調査上の対応ポテンシャルであり、実際のDR参加率ではない。
現在のユースケースは小売電気事業者向けDRが中心である。自家消費優先モードが大半を占めるとのヒアリング結果を踏まえた想定では、晴天時は昼に蓄電池が満充電となり上げDRの余地が小さく、下げDRの余地が大きい。雨天時は充電量が少ないため逆に上げDRの余地が大きく、下げDRの余地が小さい。いずれも停電対応等のため確保するSoCや機器保護上の制約があり、制御可能量は一律ではない。
メーカー意見では、DRサービサーに開示するデータの範囲、ECHONET LiteとAPI間のデータ項目の標準化、PV併設時の制御情報、制御権とレジリエンス用SoCの優先順位、機器保護の余裕、制御未達時や劣化時の責任分界が論点である。サーバ開発・通信・維持やアルゴリズム開発などの追加コストも発生する。
家庭用蓄電池のDRready要件を定める国として資料が挙げるのは英国と豪州で、いずれも任意の標準である。両国とも義務化は確定しておらず、想定するDRの目的に応じて接続方式と制御方法が異なる。
| 論点 | 英国:PAS 1878/1879 | 豪州:AS/NZS 4755 |
|---|---|---|
| DRの主眼 | 系統混雑・需給調整のコスト低減。需要が同時に集中しないことを重視 | 需給ひっ迫時の負荷削減、需給バランス確保。指令への対応を重視 |
| 通信接続 | DRサービサー、機器(ESA)、CEMの接続を想定。CEMはサーバやHEMS等が担い、機器とともに提供される。少なくともOpenADR対応を求める | DREDを介した接続を規定。DREDが指令を受信し、機器とは端子台またはRJ45で接続する。通信規格要件や機器へのDRED内蔵義務はない |
| 外部制御 | 機器が提示するDR運転プロファイルから、サービサーが選択・指令する。手動上書きと機器保護のフェイルセーフを認める | 5分単位の9モードを規定。充放電の停止・開始や出力の50%・75%以下への抑制を指令し、必須はモード0・1・5である |
| 義務化の状況 | 蓄電池を将来の規制対象に含めるか、スマート機能の普及状況や最低要件への適合を業界に照会中。対象化は未決定 | 蓄電池はPVインバータと同一標準で検討する必要があるとして、義務化の費用便益評価・検討対象外。長期的検討が必要とされる |
英国標準は通信、相互運用性、データ保護、サイバーセキュリティ等を扱う一方、豪州標準は機器とDREDの接続および時間コマ単位の動作指令を具体化する。豪州では南オーストラリア州の空調に準拠義務があるが、これは家庭用蓄電池の義務化ではない。
英国政府は、既存機器のスマート機能の実態を十分把握できていないことなどから、義務化の対象や要件を検討中であり、複数機器を束ねるHEMSの役割についても業界意見を求めている。豪州では系統運用者が、料金に応じた蓄電池の同時充放電によるピーク発生を懸念しているが、蓄電池の義務化方針は定まっていない。資料の整理では、制度設計にあたり、DRの目的、機器・サーバ・HEMS間の責任と情報連携、SoC等の制約、セキュリティ、実装コストを合わせて検討する必要がある。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「国内の家庭用蓄電池のDRの現状、諸外国における家庭用蓄電池のDRに関する制度の検討状況」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/dr_ready/index.html)をもとに当社作成
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