価格弾力性のある買い入札が需要の約60%を占める現行相当の前提では、ノード単位で入札を展開すると計算収束性に課題が生じた。一方、需要曲線の簡略化で収束性は改善し、乖離率の閾値を0.1%以内とした場合、需要約定量の誤差平均は±0.1%以内、価格誤差の平均はほぼ0円であった。3σ値は約定量で需要比約4%、価格で0.37万円/MWh(3.7円/kWh)である。閾値1%では誤差が拡大するケースが確認された。
海外調査では、PJM・CAISOとも一般需要の多くをゾーン単位で入札し、過去実績等に基づく係数でノードに配分していた。価格弾力性のある入札はPJMで1%未満、CAISOで約10%であり、資料は収束性への影響が生じていないと整理する。これに対し、日本では価格弾力性のある買い入札が需要の約60%とされる。このため、発電機の経済差替や揚水などノードを特定できる入札はノード単位で扱い、入札数の増加を抑えながら計算精度を保つ制度設計が提案された。制度化の詳細は未決定であり、入札者の手続負担や、経済差替の買い入札を対応する電源と同じノードに置く必要性を含め、今後整理する。検証Aとしての技術検証は完了とされた。
二次②~三次②の商品集約を踏まえ、応動性能の高い調整力を確保する三案を小規模系統モデルで検証し、いずれもロジックとして構築でき、想定どおり動作することを確認した。性能区分は、制御指令から5分後の応動実績量を指標とし、指令ΔkWの半分以上を高速調整力(グループA)とする考え方を用いた。
| 案 | ロジックと確認された特徴 | 導入時の未決事項 |
|---|---|---|
| ①ペナルティ係数 | 低速調整力の確保コストを目的関数に加え、高速調整力を促す。係数が大きいほど高速側の確保が増えた。 | 係数次第で高速側が0%または100%になりやすく、適切な単価設定が必要である。 |
| ②グループ比率制約 | 高速調整力の確保量を一定以上とし、設定比率に応じて高速側を確保した。 | 必要な確保比率の設定が必要である。低速で必要量を満たせる場合も高速・高コスト電源を確保し、総燃料費が高くなる可能性がある。 |
| ③全体パフォーマンス制約 | 中間点での調整力応答可能量を一定以上とする。低速電源だけでは閾値に届かない場合に高速側を追加した。 | 中間点と必要量の閾値設定が必要である。 |
三案の採否やパラメータは決定されていない。運用上必要な高速調整力の量、商品ごとの確保時点、三次②をエネルギー市場で扱う可能性、費用と周波数品質の関係などを踏まえ、調整力細分化作業会で検討を深める方針である。小規模モデルではペナルティ法の悪影響は確認されなかったが、混雑や制約未達時には収束性が悪化し得るとの指摘があった。
今回、①買い入札を考慮したSCUC・SCEDロジックと③kWh・ΔkW同時最適ロジックについて、一定の実現目途が示された。残る⓪基本ロジックと②週間運用を可能にするロジックは、次回以降に進捗を報告する。基本ロジックでは収束性向上と火力応動特性のモデル化、週間運用では具体的なロジック構築・実装が今後の作業である。ほかの項目にも、運用容量等作業会での深掘りや、起動費等の価格算定方式の制度検討などが残る。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電源起動・出力配分ロジックの技術検証(検証A)の進捗報告について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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