同時市場で相対契約に紐づく電源を売り入札し、小売事業者が買い入札する方式では、電源が約定しない場合に発電・小売間の精算が差金のみとなり、相対契約がデリバティブに該当する可能性が検討会で指摘されている。該当すれば事業者の会計事務負担が増える。本資料は各会計基準の公開情報を調査したもので、制度変更や会計処理を決定するものではない。
| 基準 | 電力相対契約の扱い | 主な条件・留意点 |
|---|---|---|
| 日本 | 将来の仕入・販売・消費を目的とし、当初から現物受渡しが明らかな取引は金融商品会計基準の対象外となり得る | 取引当初からの文書化と責任者の承認が必要 |
| 米国 | ISOを介した電力取引でも、「通常の購入・販売」としてデリバティブ適用除外となる可能性がある | 通常の数量・取引条件、資産と基礎数値の明確で密接な関係、現物決済の蓋然性、文書化が必要 |
| 国際 | グロスプール市場を介する相対取引には、自己使用の例外が適用されず、デリバティブ適用除外にならない | ただし自然依存電力を参照する契約には、2024年12月に最終化した改正により、一定条件下で例外が認められる可能性がある |
日本・米国基準は、基礎数値に連動する価値、当初純投資が不要または小さいこと、純額決済可能性を主な要件とする。IFRSは、基礎数値に連動する価値、当初純投資が不要または小さいこと、将来決済されることを要件とする。各基準の要件・除外要件は概ね共通するが、電力の市場経由取引に対する具体的な適用除外の整理には差がある。
IFRSでは、非金融商品契約でも純額決済の条項・慣行がある場合や、引渡し後に短期間で売却する慣行がある場合などは金融商品基準の適用範囲に含まれ得る。一方、予想される購入・販売・使用の必要に沿って締結・保有される契約は原則として適用対象外となる。自然依存電力の改正では、企業が合理的な期間にわたり電力の正味購入者であるかを判断し、期間は最長12か月とする。
米国では、ISO/RTOを通じた取引の差金決済可能性と「通常の購入・販売」例外との関係が従前不明確だったため、2015年にASC 815-10-15-36Aが追加され、LMP差に基づく送電料金等は、それだけでは純額決済に当たらないと明確化された。国際基準では、グロスプール市場を介する取引について自己使用例外が認められないとの整理が示されている。したがって、同時市場での相対契約の会計上の扱いは、市場を介するという形式だけで一律に決まるのではなく、適用基準と契約・決済の条件に左右される。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「諸外国の電力取引における会計上の取り扱い」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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