中国九州間連系線(関門連系線)の中国向運用容量を拡大する方策について、早期実現性が高いA案(調整力の確保量増加)とB案(50Hzエリアからの緊急融通期待量増加)を先行して費用対効果評価した。資料の整理では、A案は費用が効果を上回るため採用を見送り、B案は効果が費用を上回る可能性があり、技術面を含めて継続検討する。C案(負荷遮断)はシステム構築費用を算出中で、次回評価する。
運用容量拡大の便益は、①中国・九州エリアの市場間値差を通じた市場取引の経済損失低減、②中国エリア以東の火力発電の焚き減らしによるCO₂排出低減の合計で評価する。再エネ出力制御の減少は期待されるが、再エネ賦課金の減少は社会全体の便益とは扱わず、効果に含めない。
| 評価対象 | 全時間帯 | 日照時間帯(8~18時) |
|---|---|---|
| 運用容量拡大の効果 | 5,190万円/万kW・年 | 3,250万円/万kW・年 |
| A案の費用 | 14,530万円/万kW・年 | 5,700万円/万kW・年 |
| A案の効果-費用 | ▲9,340万円/万kW・年 | ▲2,450万円/万kW・年 |
| B案の費用 | 940万円/万kW・年 | 330万円/万kW・年 |
| B案の効果-費用 | 4,250万円/万kW・年 | 2,920万円/万kW・年 |
効果は市場間値差の過去実績を拡大量に乗じて算出しており、分断が解消した後も値差が縮小しないものとして最大限見込んだ試算である。時間数は、熱容量が制約となり拡大できない断面を除き、全時間帯8,350時間、日照時間帯3,276.5時間とした。したがって、表の差額は確定実績ではなく、提示された前提に基づく試算である。
A案は、中西5社エリアで発電機のガバナフリー(GF)調整力を増やし、関門連系線事故後の周波数低下を回復させる方策である。費用は燃料価格を反映した増分単価1.74円/kWhで試算され、全時間帯・日照時間帯のいずれも効果を下回る。資料は、拡大量を増やすほど便益は頭打ちになる一方、GF調達費用は増えると見込み、採用見送りを提案している。
B案は、東京中部間周波数変換設備(FC)を介したEPPS緊急融通の期待量を増やす方策である。費用は、増加分のマージン確保によって減るFC市場取引量の機会損失として算定した。過去の市場分断実績に基づく概算では、全時間帯・日照時間帯とも効果が費用を上回る。ただし、FC増強後は市場分断の頻度や値差が小さくなる可能性があり、実際の機会損失は試算より低くなる可能性がある。
飛騨信濃FCの自動演算機能を使うB案では、EPPS拡大量は最大22万kW(1月平日昼間)と試算された一方、再エネ出力制御が起こり得る端境期(3~5月、10~11月)の休日昼間はほぼゼロであり、運用容量拡大効果が限られる。端境期を含め需要規模によらず設定量を増やすB´案も選択肢として提示されたが、送電側・故障側への影響や具体的な設定方法は未評価である。
次回はB案について、EPPSの設定方法・増加可能量・費用対効果に加え、信頼度への影響などの技術評価を行い、B´案も含め実施の方向性を判断する。C案は実現性と費用対効果を評価する。その後、実施する方策について詳細検討に進む予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中国九州間連系線(中国向)運用容量拡大案の検討について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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