第2規制期間に向けた検討課題
本資料は、第1規制期間の「収入の見通し」審査で委員・オブザーバー等から出た指摘を整理したものであり、具体的な制度変更や対応方針を決定したものではない。指摘は、次期の査定方法・費用区分の見直し、事業者の説明と記録の改善、消費者への説明に及ぶ。対応方針や検討時期は、消費者庁の指摘とあわせて別途整理する予定である。
査定方法と費用区分の見直し論点
- 比較・統計査定:採録データの共通化・標準化と事業者間で共有できる情報の明確化が論点である。費目の集計・分類差を把握して横比較に反映し、費目間の付替えで全体コストの効率化が不当に評価されない制度設計も課題とされた。CAPEXの統計査定では、北海道・沖縄の海上輸送費など、グルーピングが不合理なコスト増を認める結果にならないよう、調達コストを意識すべきとの指摘がある。
- 実績差・外部環境への対応:見積りと実績の乖離について、市場環境の変化や個別費用の影響を分析し、第2規制期間の査定方法に反映することが提起された。第1期間に算入を認めていないエスカレーション費用も、物価・賃金等の上昇による影響と弊害を踏まえ、算入方法を検討すべきとの意見である。
- 費用区分・報酬率:調整力費用を制御不能・事後検証費用とする扱いが、需給調整市場の改善を遅らせないか懸念が示された。資産移管等で変わり得る減価償却費を制御不能費用とする妥当性、離島費用の島単位等での損益管理、託送料に係る事業報酬率の算定も次期の検討論点である。託送料では、送電事業者と一般送配電事業者の費用区分等の違いを踏まえた比較が指摘された。
投資計画と事業者の説明・管理
- 投資の必要性・効果:DXやデジタル化は、機器導入だけでなく、データ活用、コスト、効果を事後検証できる形で具体化する必要がある。次世代投資は区分の定義や便益の説明方法を整理し、有事の有無などを分けた試算指針を設けることが提案された。システム費用は、事業者間での仕様・開発共有の利点と課題も検証対象である。
- 投資計画の更新と実績記録:再エネ連系量等が大幅に増えた場合には、必要に応じて拡充投資計画を見直すべきとの指摘がある。また、期中調整や次期の事後調整に備え、各査定項目・工事の計画額と実績額の差を把握し、説明できるよう記録することが求められた。
- 高額案件の検証と提出資料:統計上の外れ値となる高額案件について、調達過程や第三者検証の選定・独立性を確認する社内プロセスの明確化が課題である。事務局は、主要工事件名説明書の記載事項を精緻化し、提出前の社内チェックを求める考えを示した。システム費用の説明項目も一定程度統一し、横比較・個別査定に必要な情報を確保する方針である。
消費者・関係者への説明
制度やルールの変更、託送料金の仕組みについて、消費者が理解できる周知・説明を工夫し、問い合わせにも丁寧に対応することが指摘された。複数エリアで事業を行う小売事業者からは、工事申込・請求帳票等の書式や口座振替の統一が実務上有効との意見があり、ステークホルダー協議でも同趣旨の要望が出ている。