2026年度から、同時市場の導入判断に先立つ第1フェーズとして、①詳細業務設計、②運営主体の検討、③システムの技術研究を並行して進める提案である。第1フェーズで導入を決定するのではなく、第2フェーズでシステム開発の要求定義を行い、その結果を踏まえて導入可能性を最終判断する枠組みである。詳細業務設計は第1フェーズで完了する想定ではなく、第2フェーズでも継続する。
資源エネルギー庁・電力広域的運営推進機関が事務局を務める本検討会は第1フェーズも継続し、業務設計や運営主体に関する重要事項を審議する。実務的・専門的な検討を担う「業務設計・技術研究会」を新設し、海外事例や事業者ヒアリング、技術研究の報告を扱う。研究会は原則非公開で月1~2回、本検討会は2~3か月に1回程度の開催を想定し、公開可能な重要論点や進捗を本検討会に報告する。既設の電源起動・出力配分ロジックの技術検証会は閉会し、残る論点を研究会で扱う提案である。
同時市場システムには入札受付、約定処理、価格算定・精算、結果通知・公開、市場監視、次期中給システム等との連携が必要とされる。特に、系統制約を考慮するSCUC・SCEDによる約定処理が重要かつ難度の高い機能であり、その技術的実現可能性を示すことが第1フェーズの研究目的である。
研究テーマは、北米を中心とする海外制度・システムの調査や最適化計算の定式化検討から課題を抽出し、コンサルティング会社と事務局が主に設定する案である。海外方式をそのまま導入するのではなく、日本の制度や仕様との差分、重要な制約条件に絞って難度を検討し、研究会でシステムベンダーの意見を踏まえて決める。必要に応じ、ベンダーに委託してソルバーを用いたシミュレーションを行う。
簡易報告書では、難度の高い制約条件を示し、実現可能性につながる考察、または計算が難しい条件に対する定式化の工夫などを整理することを目指す。報告は特定ベンダー固有の技術・知見に依存しない、可能な限り客観的・一般的な記述とする。北米でSCUC・SCED等の導入実績がある一方、日本固有の燃料調達上の不確実性、系統規模・電圧階級に伴う計算負荷、揚水発電の多さや水位管理などが技術上の論点として挙げられている。これらは実現可能性が既に確認されたという意味ではなく、研究で扱う課題である。
広域機関は2026年度にコンサルティング会社へ海外調査、研究テーマ設定、簡易報告書作成、会議運営や事業者ヒアリング補助等を委託する予定である。シミュレーションを実施する場合は、テーマ決定後にベンダー選定・委託を進め、2026年度後半の契約を想定する。受託ベンダーには可能な範囲で知見開示を求め、将来のシステム開発に向けたロックインにつながる対応を認めない考えである。
設計では第2次中間取りまとめを前提とし、技術研究に必要な要件を優先しながら、実務対応可能性を事業者ヒアリングで確認する。主な論点は、発電余力の全量供出・全電源情報提供に関する義務の詳細、小売入札需要と送配電想定需要を用いるSCUC・SCEDの組合せ、アップリフトの対象と費用負担、電源単位の発電計画とBG計画の作成・提出方法、揚水発電・DERの入札や調整力必要量の扱い、取引規律と市場監視である。ヒアリング等を踏まえて業務フローも整理する。
詳細業務設計と技術研究テーマの設定を年度初めから進め、後半に設定テーマの研究を行う想定である。シミュレーションを実施する場合は、テーマ決定後にベンダー選定を進めるが、選定に時間を要するため、主な内容が固まった段階で手続を並行して始める予定である。簡易報告書は2027年初め頃の作成を想定し、各日程は前後しうる。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第1フェーズにおける検討の進め方等について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
同時市場は、電力量(kWh)と調整力(ΔkW)を別々ではなく一つの計算で同時に取引・約定する市場です。日本卸電力取引所(JEPX)と需給調整市場に代わる位置づけで検討されており、電源の起動費や運転制約まで織り込んで全体の供給コストを抑えることを狙います[DOC:f524b648-6774-46ad-9431-707542335ec4]。
2026年3月14日受渡分から、需給調整市場は全商品が前日取引化され、入札単位時間が30分に移行した(開始済み)[DOC:3e77bc52-8b6a-4fd8-95e4-cc566342a559][DOC:21690b2a-d72a-4827-91b3-b012b62f0db9]。同じ2026年度には、低圧リソースの市場参入と機器個別計測の制度も立ち上がる[DOC:e7217d17-3eb5-442f-9723-253c616ca568]。参入の間口が広がる一方で、複合商品の約定単価は前日化直後に半減しており、「参入できること」と「稼げること」が別問題になりつつある。
日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。