本資料は、2024年11月に公表された排出量取引制度の「検討の方向性」を前提に、先行する法的課題報告書を制度設計へどう反映するかを整理したものである。以下は対応方針の想定であり、今後、法制的な議論を踏まえて制度を具体化する。
| 論点 | 想定する対応 |
|---|---|
| 対象者の基準 | カバー率、検証等の事務手続コスト、行政コストを踏まえ、直接排出量が年間10万トン以上の法人を対象とする。 |
| 割当て・価格安定化 | 割当量の決定方法、価格安定化措置の発動要件・方法を法令で明確にし、行政裁量を可能な限り抑える。詳細や価格の上下限は、専門家等の意見を踏まえて審議会等で定め、見直し時には事業者の予見可能性を確保する。 |
| 義務・不服申立て | 当初割当量を超える排出も許容した上で、毎年度の排出実績相当量の償却を法定する。割当て、償却義務量、実効性確保措置の決定は処分性を想定する一方、特別な不服申立制度や不服申立前置主義は採用しない想定である。 |
| 検証・未履行 | 割当申請と排出実績報告には第三者認証・検証を必須とするが、割当量等は行政庁が決定する。償却義務の未履行には不足量に応じた金銭支払いを求める方針で、負担金・課徴金等の形式は未決である。 |
排出枠はシリアル番号で管理する案だが、番号による性質の違いは設けず、取引対象や有効保有の判断では「量」に着目する。権利帰属や移転の効力要件、流通を支える仕組みを検討する一方、制度開始時に第三者保護の要件を緩和する措置は採らない想定である。真正な保有者が記録上の名義人と異なる場合の記録書換請求権、民事執行・保全時の登録簿上の扱いは今後の検討事項である。質権を禁止する規定や担保権に関する記録対応は、開始時には設けない想定である。
無権利者による償却は、名義人が保有する排出枠による償却とみなす措置を検討する。過剰割当てを行政庁が取り消した場合は、原則として、取消しの相手方に対する翌年度の割当量から取消量相当分を控除する想定である。訴訟リスクを踏まえ、制度全体の割当総量を開始当初から厳格に設定して対象者間で分配する方式は採らない想定である。
市場参加者には、制度対象者に加え、取引経験等を要件として一部の制度対象外事業者も認める。このため個人等は想定せず、取引業者・仲介業者への法律上の規律は設けない方針である。一方、公正な価格形成に向け、政府監督下で要件を満たす取引所への取引所集中義務を検討する。不公正取引は禁止し、違反者を取引所取引から排除する想定だが、相場操縦・インサイダー取引等の具体的な範囲は未決である。東京都・埼玉県とは、国が一律に定める事項を法律に明記することも視野に調整する。
WGで指摘された制度逃れ・排出の付替えへの対応も未決である。組織再編や外部委託は通常の企業活動でもあり、制度対象外となる目的かを判定する難しさと、通常の活動を抑制するおそれが論点となる。取引・協力関係にある中小企業等への設備移転や排出活動の外部委託の押付けについては、独占禁止法・下請法等の枠組みを前提に、制度内容や企業の対応状況を踏まえ、制度内外の対応を検討する必要があるかが問われている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「GX実現に資する排出量取引制度の検討の方向性を踏まえた法的課題の整理」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/gx_implementation/index.html)をもとに当社作成
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