本資料は、需給調整市場の応札不足への対応策として検討中の「制度的措置」について、実施要否を決めるものではなく、対象・求める行動・ルールとの紐づけの一部を詳細検討したものである。制度設計では、社会コストを過大にせず、調整力提供者に非合理的な金銭的損失を与えないことを基本とし、誘導的措置の進展に応じて制度的措置の強度は変わり得るとしている。
| 区分 | 取り扱いの方向案 | 条件・留意点 |
|---|---|---|
| 規模・電源種 | 規模・種別によらず対象 | 契約形態と個別の入札制約を考慮する。水力の池容量制約やVPP・DRの生産制約などがある場合も、電源種全体を一律に除外せず、制約を踏まえた余力の供出を求める考え方である。 |
| 需給調整市場契約あり | 対象 | 調整機能があり、特段の追加コストなく応札可能と整理。 |
| 余力活用契約のみ | 基本的に対象 | 新規参入コストはΔkW価格に算入して回収可能と想定。ただし、一部の水系運用制約など、やむを得ない事情があるリソースは対象外とする案である。 |
| どちらの契約もなし | 基本的に対象外 | 調整機能を持たない可能性が高く、機能付与に大きな費用が生じ得る。制御回線を設置すれば供出可能な設備の扱いは未検討である。 |
余力活用契約のみのリソースについて、アンケートでは需給調整市場契約を締結できないやむを得ない事情は(一部の水系運用制約を除き)ほとんど確認されなかった。応札インセンティブを高めて市場契約への移行を促す一方、合理的理由のない未締結・解約への対応は引き続き論点である。
揚水発電・蓄電池では、設備・燃料・人員・系統・天候・契約等の制約を考慮した余力供出を基本とする案である。制約に該当しない「計画への影響懸念」は、調整力の発動量が事前に確定せず、水位や蓄電池SOCが計画からずれる問題である。自社電源で補填できる場合は対応可能とされる一方、時間前市場だけで補填する方法には取引量・価格の見通しや部分約定などの課題がある。
このため、流動性の高いスポット市場や時間前市場のオープニング時点(時間前OS)で調達見通しを立てられるよう、揚水事業者と一般送配電事業者が協議して行う「水位合わせ」を17時以前に移す実現可能性を検討する。現状は概ね20~24時に1日1回であり、変更は未決定である。価格面は、調達価格を見込んでV1単価を設定すれば、非合理的な損失が生じる可能性は低いとの整理である。
複数ユニットの持ち下げ余力を供出しない場合、主に持ち下げで供出される一次・二次①の応札量が減り、高価な起動供出や本来不要な追加起動につながり得る。また、応札断面で持ち下げ余力を控え、実需給時に経済差替を行って利益を得る行動への懸念も示された。このため、制度的措置では持ち下げ余力の供出を求める方向が望ましいとの提案である。
持ち下げに伴う事後精算の煩雑さには、まず親子ユニットの価格規律を見直す案で対応する。起動側・持ち下げ側の加重平均単価を各ユニットの入札単価とし、基本的に親子が全て約定するか不落となる仕組みである。システム改修を伴わず早期・低費用で実現可能とされる。親子約定ロジックのシステム導入は最短でも2027年度以降の見込みであり、価格規律見直し後の実態を見て必要に応じ検討する案である。
現行制度として、適正な電力取引についての指針(適取GL)は市場での望ましい行為や相場操縦に関する枠組みを定め、需給調整市場ガイドラインはΔkW価格の形成方法を示す。容量確保契約は、容量市場で落札した安定電源等に余力の市場供出を求め、未達時には募集要綱に基づくアセスメント・ペナルティを設けている。制度的措置をどのルールに結びつけ、誰を対象とし、どう監視するかは今回確定せず、これらの調査を踏まえて継続検討する。
今回扱わなかった入札制約の基準、事業者リスク、開始時期などの論点も残る。事務局は国と連携して制度的措置の方向性を整理するが、導入要否は他制度への影響を含む全体最適の観点から別途検討する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「制度的措置に関する詳細検討について(その2)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/jukyuchousei/)をもとに当社作成
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