系統用蓄電池の充電時に生じる系統側の電圧低下を抑えるため、系統から充電する蓄電池に、系統側からみて進み力率で無効電力を注入する力率一定制御を求める案である。対象はPCSまたは電力変換器を有し、充電による順潮流が生じる高圧・低圧の全容量の蓄電池である。系統への放電による逆潮流がない自家消費目的の蓄電池、非常用など通常は系統と連系しない蓄電池、制御・操作電源用の蓄電池は対象外とする。
資料末尾の確認事項では、対象、技術的実現性、費用について事務局案どおりとする整理が示されている。資料全体として要件化の提案・改定案を提示しており、審議会での最終決定が記載されているわけではない。
2040年度想定の配電系統モデルで、各フィーダー末端に2 MWの蓄電池1台を置き、重負荷時の充電と軽負荷時の放電を評価した。充電・放電の力率をそれぞれ個別設定する方式(パターン①)と、同じ値にする方式(パターン②)を比較した結果は次のとおりである。
| モデル | 対策なしで電圧逸脱するフィーダー | パターン① | パターン② |
|---|---|---|---|
| 標準的なDバンク | 3 | 3フィーダーすべてで対策工事削減が可能 | 3フィーダーすべてで対策工事削減が可能 |
| 厳しめのHバンク | 5 | 4フィーダーで工事削減、1フィーダーで工事最小化 | 3フィーダーで逸脱が残る(放電側) |
両モデルで充電側力率設定が電圧変動の抑制に寄与し、パターン①はパターン②より無効電力注入を抑えられるとして、資料はパターン①を望ましい方式と評価する。系統側の太線化・電圧補償機器は1箇所あたり数百万円~数千万円程度、力率制御は開発・認証に1機種あたり数百万円~数千万円程度と想定されるが、供給台数に応じた1台あたり費用は数万円~数十万円規模とされ、系統対策工事の抑制を含め社会コスト上優位と評価されている。
力率は充電時に系統側からみて進み、放電時に遅れとなる設定を基本とし、所定力率は充電・放電で個別に設定できる機能を求める案である。解析では80~100%を1%刻みで検討した。電圧逸脱のおそれがある場合の自動調整手段には、力率一定制御、進相無効電力制御、出力制御等を挙げ、これらで対応できない場合は配電線増強等を行う整理である。
系統連系技術要件では、低圧・高圧の力率および電圧変動対策に、蓄電池の順潮流による電圧低下への対応を追加する改定案が示されている。系統連系規程にも、充電に伴う進み力率を認める条件と、充放電それぞれの所定力率を設定する機能を追記する案である。系統連系技術要件ガイドラインは2024年12月改定で充電時の進み力率を明記済みのため変更不要とされ、送配電等業務指針も変更不要、各社の系統アクセスルールには同様の記載を追記する整理である。
適用開始は2027年4月を予定し、低圧50 kW未満は流通在庫への対応期間を考慮して2027年10月を予定する。既設設備への遡及適用は行わない。現時点で直ちに系統運用に支障を来す状況ではなく、既設設備への適用には費用が発生することが理由として示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「個別技術要件検討「電圧変動対策(充電側力量設定)」」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/gridcode/)をもとに当社作成
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