日本の都市ガス会社は、季節変動と緊急時の双方に備え、LNG基地タンク自体に在庫を持つ構造である。欧州では基地が主に受入・気化を担い、季節変動や緊急時の貯蔵は主として地下貯蔵で対応する。資料は、この違いが日本のLNG基地で必要となるタンク容量を大きくする背景と整理している。第三者利用が年1隻の場合、日本では受入後に長期間タンクへ貯蔵する一方、欧州では基地から短期間で払い出し、地下貯蔵へ移す例が示されている。
東京ガスは安定供給のため期末在庫20日分を目標としてきた。現在はこれを、タンクのポンプで汲み上げられない下部容量、原料途絶への備え、需要増への備えに分けて設定する。原料途絶リスクには東京湾内3基地の取扱量の10日分を計上し、需要増リスクは追加調達までの3か月間に需要変動率7.5%を見込む。上部には入船に必要な空き容量を確保し、その内訳を、調達済みLNGのキャンセルまでの4か月間に備える需要減リスクと、耐震制限液位などによる物理的制約に分ける。7.5%は導管注入量を前日計画から上方調整する義務に基づく。
| 論点 | 資料に示された設定・実績 |
|---|---|
| 期末在庫 | 20日分。電力事業者の在庫は約14日分で、代替電源を保有する点などを踏まえ、東京ガスは20日分を適正とする |
| 第三者が活用し得る容量 | タンクの物理制約と需要・供給リスクへの対応分を除いた操作可能範囲 |
| 利用可能容量の推移 | 全基地計で2000年53%、2016年31%。取扱量・タンク回転数の増加に伴ってリスク容量が増え、タンク建設を抑制していた期間を経て、2016年時点で1基を建設中 |
東京ガスは4基地・5バース・35タンクを9群に分けて運用し、そのうち4群・20タンクは単一液種のみを扱う。平均約2日に1隻の受入を順次可能にするには、受入対象以外のタンク群にも空き容量が必要となる。この基地特性が上部空き容量の設定理由である。
4基地合計で期末在庫20日分を目標に管理し、原則として入船に必要な上部空き容量を使わないよう運用する。在庫は需要の増減だけでなく、積地トラブルや悪天候による入船遅延でも変動する。資料は、小規模な積地・入船トラブルのほか、積地火災、地震、プロジェクト遅延などの大規模事象も数年に一度発生すると例示する。したがって、在庫実績の変化には需要要因とLNG受入要因の双方が関わる。
資料は、現状で第三者利用を進めるには「ルームシェア方式」の活用が必要と提案する。これは第三者とタンク容量を共有し、LNGの貸借などを通じて容量を利用する方式である。具体例として、在庫が上限に達する前に払い出し、貸借を組み合わせて入船余力を確保する運用を示す。ガス製造を積極的に受託することは基地利用の促進につながり、公正かつ有効な競争の観点から望ましいとの位置づけである。資料は対応の方向性を提示しており、具体的な実施決定や時期は示していない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「LNG基地のリスク容量について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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